表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

未来のその先へ

 

 素敵な魔法の杖で変身。

 人が誰でも一度は憧れる日曜朝の人気番組。魔法少女シリーズ。


 もう15年以上続く伝統あるドキュメンタリー番組。


 それは夢じゃない。現実の話。

 ほら、外を見てみなよ。魔法少女が今日も空を飛んでるはずだ。



 ……俺がそれを見ることはもうないが。











 今までも思い出す。あの日の戦いを忘れない。

 概念だの巨大だの、色んな敵と戦ってきた。歴戦の猛者を自負していた。



 それでも負けてしまった。これでもかというくらいに完膚なきまでに。

 ワールドエンド。世界の果てを名に持つ敵は非常にシンプルな能力を持っていた。


 その能力は吸収。今まで倒れた侵略者たちの怨念をエサに強くなった。

 普通の魔法少女が相手ならば、苦戦こそはするだろうが、他の魔法少女と協力すれば倒せないことはない。


 だが、今回は相手が悪かった。10年以上戦い続けた伝説が相手だった。



『嘘だろ⁉︎ アs……ダイヤ!ミンキー!今すぐここから離脱するクマクマ!こいつはやべぇ……全魔法少女を集めでもしないと無理だぞ!クマッ⁉︎」



 語尾も口調も殴り捨てて危険を知らせるマロンを初めて見た。

 敵と対峙した瞬間に体が震えた。久方ぶりに恐怖を感じた。



 でも、魔法少女たちは立ち向かった。



 絶対に諦めない。希望が無くなるわけにはいかないから。

 数日に渡る激戦。街は原型をとどめることが出来ず、巨大なクレーターしかなかった。


 そして、決着がついた。


 少女は役目を終え。


 伝説は幕を下ろし。


 物語は完結する。


 ハッピーエンドのその中に、片翼を失った少女の姿を焼き付けて。











 数年後も経てば街は元の景観を取り戻した。

 話を聞けば、魔法少女と契約した妖精たちが手を回してくれたらしい。

 その中にはすでに引退したメグの相棒もいたらしく、久々の再会を楽しんだとか。


 ここまでは日本を離れていた俺に送られてきたメールの内容だ。

 そして、差出人の妹に呼ばれて俺は故郷へ帰ってきた。



「細かい所は変わったけど、雰囲気は前までと変わらないな」



 間違い探しをしながら待ち合わせの場所着く。駅前の噴水があった広場には巨大な像が設置してある。

 今では街のシンボルとして観光名所にもなってるとか。



「自分の石像が人気とか恥ずかしくて死にたい……」



 もちろん。地味で冴えないおっさんではなく、綺麗な美少女マジカル・ダイヤの姿だ。

 近くにある看板には【世界を奇跡の魔法で救った伝説の魔法少女マジカル・ダイヤ】と書いてあった。



「世界を救ったねぇ……」



 看板にはその他にも歴代の魔法少女の説明や活躍が記録してあった。マロンやマジカル・トパーズの名前も出てきた。


 そして、ミンキーのことも。


 ワールドエンドを倒した代償として俺は魔法少女としてのチカラを失った。

 それは当たり前のこと。今までも魔法少女はそうしてきたのだから。伝説とか最強とか言われても魔法少女に変わりないダイヤも例外じゃない。


 実にアッサリした最後だった。


 気を利かせてくれたマロンが、変身解除される俺を移動させてくれた。そのおかげで、マジカル・ダイヤの正体がバレることは無かった。



 そして、マジカル・ダイヤはその存在を消した。



 大切な友達に別れの言葉もなく。

 後日、キラリちゃんの両親から連絡があった。なんでも彼女が鬱ぎ込んで部屋から出てこないという。

 魔法少女の理解者として、俺はキラリちゃんの説得に行くべきだったが……急な仕事の転勤があると嘘をついて逃げた。




 人々の希望になった伝説の魔法少女は、たった一人の少女とすら向き合えなかった。



















 新登場。『魔法少女戦隊。マジカル・レインボー』



 伝説は新たなる少女たちに受け継がれた。魔法少女史上最多のグループが誕生。


 みんなの笑顔を奪い去る敵、イヤガラッセに立ち向かう。


 妖精の国から頼れる大妖精マロンを仲間に世界をハッピーにしちゃおう!



 次回からお楽しみに!



『みんな、よろしくクマ☆』












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ