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立ち上がれ魔法少女たち

 

「ねぇ、そろそろ機嫌直してくれないか?キラリちゃん」

「………ふんっ」



 場所は初めて会ってから訪れた喫茶店。今ではすっかりおなじみの集合場所になった。

 ちなみに、店長や常連さんには親戚同士という内容で話をしてる。



「ほら、いつものスペシャルパフェだよ」

「………チラッ」(パクっ)



 チョロいな。この子。

 すごい勢いで食べてるな……そんなに頬張らなくても誰も取らないよ。



「……アスカさんは知ってたんだよね」

「えっと、何を?」

「ダイヤさんが自分の代わりに他の人を変装させてたこと」



 やっぱり機嫌悪いのはこの間の一件か。

 途中まではいい感じで進んでたんだけど、横やり入れられたせいで替玉がバレた。メグは元魔法少女だった経験もあって上手く立ち回って情報を集めてくれたから敵は倒せた。

 問題はその後。ダイヤとダイヤに似たメグの二人を見て自分が騙されてたと気づいてしまった。


 そっからはずっとこの調子。戦ってる時も会話なしで後ろからバンバン魔法を撃ってきた。あのまま撃ち殺されるんじゃないかと思いました。



「そうだね……俺は事前にダイヤから相談されてたよ」

「いつもだよ。いつも私とはあんまり話してくれなくて……アスカさん経由でしか」



 スプーンを置いて俯く彼女。怒っているのかと思いきや落ち込んでる。鼻をすする音。嗚咽が漏れる。



「……私ってそんなに、頼りない…のかな?」

「頼りになると俺は思うよ。周りの状況を見て判断できるし、ここぞ! って時に正確な援護射撃をしてくれるし。ダイヤも信頼してるよ」

「それは、戦ってる時だけですよね?……私だって大先輩の足手まといにだけはならないように魔法の練習だってやってきました。でも、それだけなんです」


 それでいいんじゃないのか? 敵を倒すために力を合わせて確実な勝利を掴む。被害を最小限に抑える。

 間違っているとは思えないが。



「私じゃ……ミンキーじゃ、ダイヤの支えにはなれないんです。ダイヤが悩んでる時も。苦しい時も。ダイヤは私に指示を出して自分はいつも一人で突撃するんです。攻撃されて痛くても、町の人を傷つけられて悲しい時も私を心配してくれて」



 キラリちゃん。それは……できないよ。



「キラリちゃんは、ダイヤがどれくらい戦ってきてるかって知ってるかい?」

「私が小ちゃい時にはもう戦ってたから……10年以上経ってます」

「そう。ダイヤは、あの魔法少女は悪い奴らがやってきた当初から戦ってた」



 ここからは昔話だ。


 魔法少女黎明期。他の宇宙や世界から地球を侵略しにきた連中の動きを妖精たちはいち早く察知した。


 妖精たちは人間の中から共に戦ってくれる強い意志を持った少女たちと契約して連中に対抗しようとした。


 その第一世代魔法少女担当妖精がマロンだった。


 その当時、魔法少女は今みたいに広く取り上げられるヒーローじゃなく、おとぎ話みたいな存在だった。創作の中にしかいない誰かのために頑張れる存在。


 そんな中、ある一人の人間のが侵略者に襲われた。マロンはその人間が強い魔力を持っていることに気づいて契約を持ちかけた。人間は自分の身の安全欲しさにマロンと契約して魔法少女になった。


 その魔法少女がマジカル・ダイヤだ。


 ダイヤは契約に従い、次々と迫り来る強敵と戦った。仲間や後輩もまだいなかった。ダイヤが負ければそれで人類は終わり。

 その重責の中でダイヤは戦い続けた。何度も死にそうな目に遭ったさ。


 でも、ダイヤは逃げなかった。



「何でかわかるかい?」

「わかりません……」



 魔法少女は希望だったんだよ。



「それはダイヤにとっても人々にとっても」

「ダイヤにとってもですか?」

「あぁ、……彼女にとって魔法少女の力は弱くて殺されそうになった自分を助けてくれたヒーローだからね。自分と同じ目に合う誰かをほっとけなかったんだよ」

「それは、今も同じなの……かな?」

「最近は年増の自分が出しゃ張らないように〜とか全力出して街を壊さないように〜って思っているけど、根底にあるものは変わらないよ」



 少し考えこんだあと、キラリちゃんは顔を上げた。顔が腫れて折角の可愛い顔が台無しだったけど、笑っていた。



「ダイヤは年増じゃないよ! 頼れよるお姉さんだよ。って伝えて下さい。私、決めました」

「何を決めたんだい?」




「私が、マジカル・ミンキーがダイヤの希望になります!」




「っ⁉︎」

「今はまだ無理かも……だけど、いつかダイヤくらい強くなって、自分に自信を持って、マジカル・ダイヤの相棒はミンキーしかいないって言われるように。そしたら、私がダイヤを守れる魔法少女になれるって思うんです!」



 宣言してすぐ。キラリちゃんはカバンの中の妖精から敵が現れたことを知らされて店を出て行った。

 それを追うように俺も会計を済ませて店を出るが、既にキラリちゃんはマジカル・ミンキーに変身して箒で現場に向かっていた。



『新米に啖呵きられたなアスカ』



 そうだな。でも、俺ちょっと感激したよ。

 初めて言われたんだ。同じ魔法少女に貴方を守りたいなんてさ。

 いつも頼れる先輩してきたけど、いつの間にか後輩は立派になってたんだな。



『おや……久々にアスカの魔力が高まってきてるな』



 魔力は人の感情から産み出されるからな。おっさん今は感謝感激状態だ。いっちょ派手に暴れますか。



『おう、先輩の威厳を見せてやらないといけないクマ!』



 ……昂ぶると語尾にクマってつけるのね。



















 次回予告。『魔法少女マジカル・ミンキー』


 倒したはずの敵アクヤークがパワーアップして復活⁉︎


 一人で挑むミンキー。でもそれじゃアクヤークには勝てないよ!

 何を焦ってるのミンキー?いつもの元気なあなたはどこ?


 そして、ピンチのミンキーを助けにダイヤが登場。



「そんなんじゃ、まだまだダメねミンキー」

「ダイヤ……ごめんなさい」

「謝る暇があったら立ち上がってミンキー。あのアクヤークを倒すにはあなたのチカラが必要なの」



 強敵アクヤークを倒すため、ミンキーとダイヤが背中合わせで立ち向かう。



「「これが魔法少女の全力だ(よ)‼︎」」



 目覚めよ。新たなる力へ。



 次回もお楽しみに!





















ちょっとシリアス回? でした。希望があれば過去の話や閑話を挟んでいきたいと思います。



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