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そのおっさん。伝説の少女

やっちまった。

 

 素敵なステッキで変身。

 女の子が誰でも一度は憧れる日曜朝の人気番組。魔法少女シリーズ。


 かれこれ10年以上続く伝統あるドキュメンタリー番組だ。


 アニメじゃないのか? 夢の見過ぎだ?何を言っているのかわからないな。

 ほら、外を見てみなよ。魔法少女が飛んでるはずさ。



「第11代目魔法少女。マジカル・ミンキーです」


 箒を器用に乗りこなし、拡声器を使って自己紹介をしているのは最近、デビューしたばかりの新人魔法少女だ。

 これでもかとフワフワしたフリル付きの衣装に、見えそうで見えないスカート。真っピンクの髪の毛という普通ではあり得ない格好をしているが、あれは魔法少女に変身した後の姿だ。普段はそこら辺の中学に通う普通の女の子だというのは我々しか知らない。


 そもそも、お前は誰かって?




 俺はただの魔法少女だ。(ドン‼︎)




 何を言っているかわからないと?

 俺も昔はそうだった。魔法少女を始めて10年近く経ったが、最初の頃はどうして地味なオタク中坊が魔法少女になってしまったのか理解不能だったが、2年くらいすればなんの違和感もなく慣れた。



『おい、アスカ。また俺の好物のチーズが無いじゃないか』



 勝手に人の家の冷蔵庫を漁っている害獣がブツブツと文句を言っている。

 人間みたいに動き回るクマのぬいぐるみの名前はマロン。妖精界とかいう頭が花畑の連中が住んでる国からやってきた詐欺師だ。



『詐欺師とは失礼な。キチンと対価は支払っているじゃないか』



 誰もその対価に魔法少女を続けないなんて言ってないけどな!


 きっかけは10年前。意味不明な化け物に襲われていた俺の前に現れたのがマロンだった。



『俺と契約して魔法少女になってくれよ?』



 なりふり構ってられなかった俺は契約書の細部まで目を通さずに合意をして契約。

 眩しい光に包まれてからの変身バンクに突入。気づけば魔法少女になっていた!



『あの頃はてっきり男装好きなボクっ娘と思ったのにな』



 女々しくて悪かったな!

 とりあえず害獣の頭を叩く。綿入りだからポフッとしかならない。



『まぁ、適合係数は過去最高だったし。女の子に比べて戦闘に慣れるのも早かったし、こちらとしてはノープロブレムだったけどな』



 こっちは大問題だったよ。変身するのも解除するのも細心の注意をはらって、後半魔法少女たちと協力するときも変身後の姿で駆けつけて、オフ会は参加できないし………。



『そのおかげで伝説の魔法少女、クールな大先輩、魔法少女の憧れの人! とか呼ばれているじゃねーか』



 俺は男だから! それに普通に考えて2◯歳の魔法少女とか少女じゃないだろ。



『馬鹿野郎! きっとどこかの世界線には20代で嫁と娘がいる魔法少女とかいるかもしれないだろうが』



 えっ、そんな子いるの?






 ビー! ビー! ビー!




 くだらない会話をしていると、部屋に設置していた警報ベルが鳴る。



『アスカ! いつもより悪い気配が強い。久々の大物だぜ!』



 そうかよ。で、場所は?



『市街地の方だ』



 はいよ。マロン、そのままナビゲート頼む。

 壁に掛けてあったジャケットを着て家を出た。そのまま車庫に停めてある愛機に跨って現場に直行する。一般の魔法少女には出来ない移動手段だ。


 さて、今日も派手に活躍してやりますかね!


















 次回予告。『魔法少女マジカル・ミンキー』



 マジカル・ミンキーの前に立ちはだかる敵幹部チョイワール博士。

 博士が用意したとっておきの作戦でミンキーが大ピンチ⁉︎


 その時、バイクと共に現れた一人の魔法少女が!


「えっ、もしかして貴女は!」


 伝説の魔法少女マジカル・ダイヤと相棒のマロン登場。


『ミンキー、一緒に戦うクマ!』


「さぁ、チョイワール博士。懺悔の準備はよろしくってよ?」


 次回もお楽しみに‼︎


















 このあと滅茶苦茶赤面した。


後悔はない。感想・評価をお願いします!

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