ざまあサイド
時はもどり死んだはずのエリザベスが息を吹き返した。
"我は邪神。この世に混沌をもたらせよ"
まがまがしい声が響き渡った。と同時に
(憎い。許せない)
胸の内から憎悪が湧き出して埋め尽くした。
"つかえない聖女だ"
"国外追放とする!"
教皇、親、国王、神官ーー次々に顔が浮かんだ。私をバカにして否定した人間たちの顔が。あんなに努力して頑張った私を誰も認めてくれなかった。
(うるさい)
あんなに聖女らしく頑張ろうとしたのに。
(消えろ)
私は何も悪くないのに。
(滅びろ)
感情のままに力を振るった。何も悪くない私を糾弾し、殺した、その全てを破壊した。
「こ、この悪魔が!」
その日、聖王国は1人の信者すら残さずに全てが滅びた。しかし
(憎い)
私の憎悪は治ることはなく、私がこうなってしまった元凶であるキャロルへと憎悪が向いた。
(許さない)
が、キャロルは死んだ。だからこの怒りを発散することもできない。
"面白いことを教えてやる。お前の探し人は魔の森にいるぞ"
はずだった。私は邪神の言う場所へ行った。そうしたら
(なんだその笑顔は)
いた。生きていた。しかも幸せそうに笑って。
(私が聖女としてどれだけ苦しんだと思ってる)
私はこんなにも惨めな思いをしてるというのにだ。
(ふざけるな……ふざけるな!)
許せない。私ばかりにつらい思いを押し付けやがって!私は
「ダークネビュラ!」
全力の魔法を放って
「キャロル!」
「……え」
キャロルとそのとなりにいた男を奇襲した。避ける間もなかった2人は
「は」
血を流し、その場に倒れていた。
「はは」
自分ばかり幸せになろうとするから悪いんだーー少しだけ気持ちが落ち着いて、憎悪が緩んだ。やってやったという達成感と爽快感。
「あははは!」
私はキャロルを人質として連れ去った。
(もっとだ。きっとキャロルの前でさっきのあの男を殺せば)
絶望するキャロルの顔を想像したら、あまりにも傑作で面白くて
「あははは!」
笑いが止まらなかった。
(だけどそれまでは)
あの男が来るまではキャロルを痛ぶって楽しもうと決めた。




