常識の範囲内
本日2話目です。
「おおっ! 久しぶり~! 元気だった?」
「いや~天界は今年は暑くて……じゃない!
何をフランクに話してるんですか!」
「えっ? そりゃ誤魔化さないとと思って」
「素直に言ったよ、この人! 驚きだよ!」
「だから、もう良いじゃないか」
「驚かしたらOKって?! そんな訳ないでしょう!!」
ちっ。ダメか。
気にしなくても良いじゃないか。
「で、何の用なの?」
「判ってるでしょ?!」
「う~ん、心当たりが多くて……」
「それも問題ですよ!」
「あっ、そうなの?」
「そうです! 何で日本人を異世界に通してるんですか!!」
「あっ、それ?
だって、禁止してなかったよね?」
「えっ?」
「してなかったじゃん」
俺は金庫に入れてた契約書を持ってくる。
「良いか、読むぞ。
『家ごと異世界に行く
1.異世界では家を絶対に防御する結界(?)を張ってもらう。
2.望んだ者や害の無い物しか通過出来ないようにする。
3.電気・上下水道・テレビや電話回線・ネット回線などライフラインは日本と繋がったまま。
4.新築の家は日本に残し、廊下で行き来出来るようにする。
5.2年に1度は日本の両親に会う事が出来る。
異世界での生活
1.運んだ魔素を放出する。
2.初期の生活費は出してもらうが、後の活動費や生活費は自力で稼ぐ。
3.自分が家を出るのは面倒なので、飼い猫である「シロ」を活動させる。
4.シロが活動する為に、シロにチートを与えてもらう。』
ほら、どこにも禁止項目が無い」
「……確かに禁止項目はありませんね」
「そっちにも同じ書類があるだろ?
読んだら判る。それにサインしてるんだから、有効だよね?」
「…………いや、そうですけど。
でも! でもですね! 判るじゃないですか!」
「何で判るの?」
「ラノベとか読んでるでしょ! マンガやアニメとか見てるでしょ!
だったら判るじゃない!」
「はっはっは。理解は出来るよ。
でも、禁止じゃない。ならば問題は無い」
「え~~~~!!」
「ダメなら禁止項目を作るべきだったね~」
「だって! それ言い出したら、山のように禁止項目を書かなきゃいけなくなるでしょ!」
「どういう事?」
「例えば人の往来禁止ってしたら、自分は人間だけど?とか、シロクロは?とか、全部書かないといけないでしょ?」
まぁそうだ。
抜け穴というか、逃げ道を探すのは当然だからね。
それをさせないなら全部書き出す必要がある。
「だから、常識内で考えてくださいよ!」
「……うん、常識内で今考えた。
問題無いな。誰でも入れてる訳じゃないし」
「え~~~~!! 問題でしょ!!
普通は異世界に知り合いを連れて行かないでしょ!」
「そうか? ほら自衛隊が異世界に行く話は、色々な人が行ってるぞ?」
「あれは神様って出てこないでしょ!
とにかく! 普通に常識で考えて!!」
「判った判った。
佐野と後1人しか通さないよ。いや2人かな」
「増えた! って言うか、通すな!!」
「いやだってさ。俺の家に来る可能性のあるのは、仕事仲間の佐野と後1人。
それからクロを連れてきたシュウだろ。ほら合計3人」
「いやいや、異世界に連れて行かなくても良いじゃないですか!」
「もう1人は伊達って言うんだけどさ。あいつ、驚くほど記憶力が良いんだ。
異世界に居たら便利だぞ! すごく便利だ! 連れて来たい!!
シュウは、クロに会いに来るだろ。会ったらクロが喋る。でバレる。しょうがない」
「連れて来たいって……本音が出てる!」
「便利って言うか、役に立つ。
もしかしたらあいつとの会話で魔素の放出方法も閃くかもよ?」
「家を出れば良いんですよ!!」
「出たら病気になったぞ! どうなってるんだ!」
「えっ? …………あっ!」
「忘れてたな! ペナルティだ! だから俺のも許せ!!」
「くっ! しょうがないですね。お互いに見逃しましょう」
「うん。そうしよう」
よし。
ウヤムヤになった。
さて、折角だ。聞きたい事を聞いてみよう。
評価を頂いたので、2話目投稿です!
ありがとうございます!




