神との問答
「ところでさ、聞きたい事がまたあるんだけど」
「え~、何ですか~? 面倒な事ですか~?」
「やる気出せよ」
「色々面倒なんですもん、あなたって」
そうかなぁ?
正当な事を言ってると思うんだが。
あっ、それがダメなのか。
正論言われるとイラってするもんな。あるある。
「まぁまぁ。
まずは魔法についてなんだけど。
なんか皆魔法陣を使ってるけどさ。シロクロは使ってないんだ。
そこのところはどうなの?」
「そこの世界の人間は、元々魔法陣なんか使ってませんでしたよ。
何処かでその技術が失われたんでしょうね。
魔法陣使うと、魔力消費量が増えるんですよね~。だから魔素不足になるんです」
「じゃあ使わない方法を教えたら?」
「神が簡単に出てくるものじゃないです!」
「ふ~ん、まぁいいや」
「流した!!」
よくあるやつだろ。
戦争かなんかで失伝したとかなんとか。
で、新しい技術で発達したけど、昔の技術の方が発達してた。みたいな。
「じゃあ次。
悪魔って何? なんか突然攻めてきたけど?」
「あれは正確には異世界の生物です。
隣り合った空間なんですよ。隣り合ってるから魔素も取り合ってるんですよね~。
だから使う人間を減らしに来るんです。人間は気づいてないですけどね」
「それも教えないのか?」
「教えませんよ。神ですから」
神だから。ってどんな理論だよ。
教えりゃいいじゃねぇか。出し惜しみするな。
「シロクロが滅ぼしたけど、問題は?」
「ありませんよ。
どっちの世界にも神は干渉しませんから」
「俺を送り込んで干渉してるじゃねぇか」
「干渉はしませんけど、世界が壊れるのは困るんです。
壊れない為に、行ってもらってるんですよ。判ります? だから出てください」
「出なきゃ世界が壊れるってか?」
「そういう事です」
「ふ~ん」
「軽い!」
「俺を出す努力するよりも、放出する方法を考えた方が建設的だと思うな、俺は」
「他人事?!」
だって出たくないじゃないか。面倒だし。
それよりも家に居ながら排出する方法を考えた方が良いって。
「最後に。日本の技術ってこっちの世界に広めても良いの?
すでに簿記は教えてるけどさ」
「構いませんよ。出来るのであれば」
「……意味深な言い方だな。何かあるのか?」
「いえいえ。何も無いです。
私もラノベを読んで、少しは勉強したので」
「ほほう。つまり?」
「ぶっちゃけ難しいと思ってます」
「根拠は?」
「そうですねぇ。2つほど例を挙げましょうか。
例えばポンプ。テンプレですよね」
「確かに」
「どうやって教えます?」
「えっ? そりゃパソコンから設計図をプリントアウトして……」
「貴方の場合はパソコンがあるからまだ楽ですね。
でも無い人達は記憶だけです。ポンプを分解や組み立てをした事のある人じゃないと作れませんよね?
ただ、した事がある人も材料ありきです。ゼロから全部品を作れますか?」
あっ、確かに無理だ。
そもそもポンプが何で水を汲み上げてるのか理屈も知らないわ。
発想だけあっても無理だね。
「後は、例えばカレー。代表的ですよね」
「確かに。で、魅了されるよね」
「まず香辛料の入手が難しいです。同じ名前じゃないし、見た目も同じとは限りません」
「世界が違うからな」
「そうです。エルフやドワーフなどの亜人と言われる者が居るくらいです。
進化が違うと思って間違い無いです」
「ふむふむ」
「まぁ同じ物があったとしましょう。
配合とか知ってます? 知ってる人間って稀だと思いますよ。
ついでに言えば、ご飯、お米ですね。あれにそこまで執着する理由が判りません」
俺もカレー作る時は、ルーをぶち込むかレトルトだ。
配合とか知らない。ましてや香辛料の加工も知らない。
ネットで調べれば出てくる可能性はあるけど、そこまでして欲しくないなぁ。
俺の場合、買えるしな。
米については同意。
俺もそんなに求めてない。
丼食う時とカレー食う時くらいかな?
どっちかって言ったらパン派だし。もっと言えば麺派だし。
血眼になって探す気も無い。
日本人だからと括られては迷惑だわ。
ちなみに温泉にも興味は無い。家で自分用に作った風呂に入る方が好きだ。




