神の力と科学
クロがたどたどしくだが、滅ぼした事を説明していた。
それでやっと納得してくれたようだ。
「犬に噛まれて滅びるなんて……」
「頑張ったー!」
クロ、悪魔には褒めてくれないぞ。
それどころか怒られる内容だ。
自慢するなら、こっちに帰ってきてからにしなさい。
あまりに可哀想な感じがするので、少し補足してあげよう。
俺でも判る範囲、というか想像出来る範囲だけど。
「え~と、補足させてください」
「……なんだ?」
「シロの爪やクロの牙は、神から貰った特殊能力なんです。
だから、多分ですけど……それで攻撃されると悪魔にはヤバいんじゃないじゃないかな~と」
「神の力だと?!」
「ええ。そうです」
「そんな訳無いだろ! 神が力を与える理由がない!
しかも動物に?! ありえない!!」
「え~と、事実なんですが……。
神様って、そんなに与えないんですか?」
「当たり前だ! 神だぞ!!」
まぁ地球で考えるなら、確かにあり得ない事だよな。
日本で神に力を貰ったなんて言ったら、変人扱いは間違いない。
だが、悲しいかな。事実なんだよなぁ。
証明する方法が無いけど、本当なんだよ。
「ウソみたいな話ですけど、本当なんですよ。
あっ、そうそう。この結界も神謹製ですよ。メイドインカミです」
「お前! ふざけるな!」
「いや、事実ですから」
「そういう意味のふざけるじゃない! メイドインとか言うな!」
「あっ、そっちですか」
「何で、こんなふざけたヤツに、神は力を与えたのだ……」
そこは神に聞いてくれ。
そもそもだね、元々俺は異世界に来たくは無かったんだ。
「そ、それでですね。
神の力なら滅ぼされる可能性はあるって事です?」
「そりゃ神の力なら不思議ではない!」
ふ~ん。
やっぱり神って凄いんだな。
ってそりゃそうか。今現在まで結界に問題が無いんだもん。
「理解したくないが、理解出来た。
つまり神の力を、お前達は持っているという事だな?」
「まぁ、そういう事になりますかね」
「お前の姿が見えなくとも、声だけ聞こえるのもその力のせいか……」
「あっ、それは違います。科学の力ですね」
「科学?」
「え~とですね。……説明が難しいです」
しまったな。神の力って事にしておけば良かった。
科学って説明するのが難しいわ。
ラノベとかではどうやって説明してたっけ?
理科とかの基本を習って無いと説明のしようが無いだろ。
例えば空気の説明。
それには酸素や窒素の知識が無いと無理。
知識も無い人に酸素を説明しようと思ったら、電気分解でもしないと。
電気分解も科学だろ? それも説明しないといけなくなる。
更に電気とは?ってなってしまう。
うん。俺には無理だ。
そういうのは詳しい人が時間をかけてすれば良いさ。
ラノベで説明される人は、凄い理解力があるから判ってくれるのさ(笑)
「科学っていう、神の力です!」
「ウソだろ?」
「そんな事ないですよ? 神の力です!」
細かく言えば、本当に神の力じゃないか?
電子とか量子とか、どうやって出来た?って考えたら、最終的には神の力じゃない?
「そ、そうか……。
とにかく! お前達は神の力を持っているという事には変わりない。
そうだな?」
「ま、まぁそういう事ですかね」
「ふん! それならそれでこちらもやりようがある」
「やる? 何を?」
「報復に決まってるだろ」
ほ、報復?!




