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メシ食わせろ

謎の貴族(?)と話し合いをしていると、丁度シロが帰ってきた。もうそんな時間になるのか。


「ただいま帰りました。……誰です?」

「さあ? 突然訪ねてきて『メシを食わせろ』の一点張りなんだよ」

「何時から我が家は食堂になったのでしょう?」


まぁ、入れるシャティさんやギルドマスターは、必ず飯食べて帰るけどな。

以前は「申し訳ないです」とか言ってたが、今では出るのが当たり前みたいに待機してるもん。

別に請求する気も無いし、安い物だけどさ。


やっぱりその2人から聞いたんだろうか?

それ以外になると……王様か?

貴族だとしたら可能な気もするね。


「ところで、何処の誰なんですか?」

「さあ? シロが聞いてみたら?」

「そうします。貴方は何処の誰なんですか?」

「ふむ、猫よ、それを聞きたいかね。

 では教えてやろう。ワタシはイルベスタのサルム伯爵である!」


イルベスタって国の名前? それとも場所の名前?

あっ、そう言えば、今居る国の名前を知らないわ。

王様に聞いておけば良かったなぁ。


「すみません。イルベスタって何処ですか?」

「はぁ? 何を言っている。このシーマウ王国の北にある国ではないか!」


説明口調、ありがとうございます。

今居る国はシーマウ王国ね。なんか美味しそうな名前だ。中華?

で、シーマウの北にあるのがイルベスタ。王国? 帝国? 連合国?


「あれ? 勝手に入ってきて良いんですか?」

「何を言っている!」


怒られた。

別に黙って勝手に入ってきた訳じゃないのか。

そりゃそうだよな。仮にも貴族だもんな。


「美味い物があると言うのなら、国の境界線や決まりなど関係無い!

 そこに行って食べるだけだ!!」


違った。

ただの犯罪者だ。いや変態か?

つまり美味い物を追い求めて、不法入国したのか? バカなの?


こういう人間は結界を通れないだろう。

全員で結界内に移動して話しかける。


「うちは食堂でもレストランでもないので、お出しする物はありません。

 お帰り下さい」

「聞けばそこの街のギルドマスターも認める味だとか!

 それを食わずして帰れるか!」


さて、どうしようか。

簡単なのは無視。護衛が見えないのでヘタすれば野垂れ死ぬ可能性もあるけど。

良い手段は……あった。

そうだよ、不法入国なら国の機関に言えば良いんだ。

そうすれば逮捕されるなりで連れて行かれるだろう。

国の機関は判らないから、シロにギルドマスターと話してもらおう。


って考えてたら、シロが違う行動に出た。


「貴方はなかなか見る目がありますね。確かに主の料理は天下一品です」


……おい。何言ってんの?

お前、俺の料理食べた事無いじゃん。

猫缶かカリカリ限定じゃねぇか。

それに、俺が料理しない事知ってるだろ?

レンチンかお湯注ぐばかりだぞ?

もしかして、この場を使って俺をディスってんのか?


「だからこそ! 貴方には主の料理を食べる資格はありません!」

「なんだと!」

「今の貴方にはこれがふさわしいでしょう」


そう言いながらシロが出したのは猫缶だった……。

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