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シロの回。ドラゴン編・その7

『シロの回。ドラゴン編・その7』


それから1ヶ月。

順調に薬草採取は進んでいるようです。

配下からも問題は無いと報告が来てますし、大丈夫でしょう。

それよりも私は、森の中で発見したネコジャラシの群生地の方が気になります。

今日も行きましょうか?


そんな事を考えつつ、冒険者ギルドに到着。

今日の依頼を完了しましょう。そして帰りに寄り道するのです。


おや? ギルド内が騒がしいですね。

何かあったのでしょうか?

ギルドマスターが騒ぎの中心に居るようです。

そこにはシャティさんも居ますね。

依頼を終わらせる為に、そこに行きましょうか。


「あっ! シロ様!」

「依頼を終わらせてきました」

「えっと……ちょっと今問題が起きてまして…………」

「そのネコが問題のネコか!!」

「シャティさん、どちら様です?」

「錬金術ギルドのモーツさんです……」

「お前のせいで薬草が枯渇したぞ! どうしてくれる!!」


シャティさんの説明によると、ドラゴンが居た場所の薬草の話だそうです。

道中が比較的安全になった事で、沢山の冒険者があの場所を訪れたと。

そして採りまくった結果、全然生えてこなくなったらしいです。


ちなみに、この世界の錬金術とは色々な物を発明・開発する技術の事だそうです。

なので薬も作っているし、魔法道具を作るのも錬金術だそうですね。


しかし、私のせいというのは理解出来ませんが。


「何故私のせいなのです?」

「ふん! ではお前の罪を説明してやる!

 まずドラゴンを追い払ったそうじゃないか!」

「それが何か?」

「私の研究であの薬草はドラゴンと共生していた事が判明したのだ!

 そのドラゴンを追い払ったのだから、薬草が生えなくなっても不思議ではない!」


ここでシャティさんから注釈が。

私の売ったドラゴンの尾を買った一人だそうです。

アレを使って研究したのでしょうね。

では時系列が変です。研究が後なら追い払った事に対して何も言えません。


「次に! 危険な場所に生えている薬草を取りに行きやすくした!

 それで取り尽くされてしまった!!」


ここでまたシャティさんからの注釈が。

採ってきた薬草はギルドが購入して卸していたそうですが、途中から邪魔が入ったと。

それが錬金術ギルド。冒険者ギルドの1割増で買うと宣言したそうです。

ただでさえ高額で売れる薬草。それを1割増となると当然殺到したらしいです。

ふむふむ。


「最後に!

 ここのギルドマスターに聞いたが、ドラゴンとの交渉をしなかったらしいじゃないか!

 交渉出来ていれば、こんな事態にならなかったはずだ!!」


ちらりとギルドマスターを見ると、私に頭を下げてきました。

どうやらつい喋ってしまったようですね。何の問題も無いので許します。


「そういう事ですか。判りました」

「判れば良いのだ! さあ賠償しろ!!」

「何を言ってるのです? 判ったのは私に非が無い事、そして貴方がバカな事ですよ?」

「なっ?!」

「そもそも、そんなに薬草が欲しかったのなら、自分で採りに行けば良かったじゃないですか。

 そしてそこでドラゴンと交渉でも何でもすれば良かったでしょう?

 私は依頼を受けて完了しただけです。そうですよね、ギルドマスター?」

「そうだよ。そして元々その薬草を採ってくる依頼を出したのは錬金術ギルドだ」

「では依頼完了という事は?」

「錬金術ギルドがOKを出したから、完了となる。当然だね」

「つまり貴方は依頼について問題無いと知っている。

 なのに私を糾弾する。その理由は? 貴方なりに言いましょうか?

 まず、バカだから。次に自分の失態を隠す為。最後にお金が欲しいから。ですよね?」

「き、貴様! ネコの分際で私をバカにするか!

 ドラゴンに勝ったからと調子に乗るなよ!

 私のこの魔法道具でおま…………ぐあっ!!」


懐から剣のような物を出してきたので、膝を折ってあげました。

これで静かに……なりませんね。唸っていてうるさいです。失敗しました。 

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