シロの回。ドラゴン編・その6
『シロの回。ドラゴン編・その6』
ドラゴン退治から2週間は、普通の依頼を受けてました。
その間に、ドラゴンの尾が3本と羽が1枚売れました。
大金で売買したようで、ギルドはマージンで大儲けしたらしいです。
シャティさんがお礼に高級肉をくれたので覚えています。
ドラゴンが居た場所の確認も今日終了したらしいです。
その報酬も頂きました。
こちらも結構な金額だそうですが、興味が無いのでどうでも良いです。
主に渡しても「持ってろ」と言われるだけですしね。
それからまた2週間。
シャティさん経由でギルドマスターに呼ばれました。
また特別な依頼でしょうか?
「おお、シロさん。待っていたよ」
「何でしょう?」
「シロさんに頼みたい仕事があるんだよ」
「どんな内容ですか?」
「シロさんにとっては難しい仕事じゃない。モンスター退治をお願いしたいんだ」
「毎日退治していますが?」
「ああ。それは知っている。
そうじゃなくてね。実はドラゴンが居なくなった事で、山に向かう冒険者が増えているんだよ。
あの薬草を手にすれば、簡単に稼ぐ事が出来るからね。推奨されないレベルの者まで行きだしたんだ。
それで死んでも自業自得だと思うだろ? それはそうなんだが。
うちのギルドとしても人が減るのは困るんだよね。だから道中のモンスターを狩ってもらいたいんだ」
「そういう事ですか。では私の配下の者に周囲を警戒させましょう」
「配下?」
「前に人を運ばせました」
「あぁ! ウルフドッグ!!」
そういう種族名なのですか。
群れのボスが襲ってきたので返り討ちにしたら、ボスに認定されてしまったんですよね。
毎日倒した獣を彼らのエサとして、1頭は置いて帰っています。
普段は森の中に居るので、丁度良いでしょう。
「私の言う事なら聞きます。なので向かう道沿いに配置させましょう」
「それでも良いけど……」
「どうしました?」
「う~ん、その場合、報酬はシロさんに払うべきなのか。それともウルフドッグに……?
それに、冒険者がウルフドッグを退治してしまうかもしれないしさ」
「では配下の者には何か目印を付けておきます。
それでも攻撃してくるようでしたら反撃を許可しておきます。
それと報酬ですが、私は必要ありません。働くのは配下の者達なので。
道中、何か印を付けたエサを置いて下さい。それが彼らの報酬となるでしょう」
「そんなんで良いのかい?!」
「ええ。私はお金は必要無いですし」
「じゃ、じゃあこうしよう。
その配下のウルフドッグには首にスカーフを巻かせて欲しい。
そしてそれと同じスカーフで包んだエサを、道中に置く。どうだい?」
「了解しました。早速呼びますか?」
「いやいや。明日にしよう。
スカーフも用意しなきゃいけないしね」
「判りました。では明日の朝は配下の者達と一緒に来ます」
「街には入れないでね!! 門の外までこっちが行くから!!」
翌日の朝。
森に行き配下の者を呼び出します。
おや? 増えているような?
他の群れのボスを倒したから配下が増えた? そうですか。いえ、問題はありません。
では街に行きますよ。付いてきなさい。
道中で人間に出会っても攻撃してはいけませんよ?
街にはすぐに到着しました。
門番や兵やらが取り囲んできています。
攻撃しないように言ってあるので、こちらから仕掛ける事はありません。
まぁ、攻撃してきたら、私が反撃しますけど。
おっと、ギルドマスターが走ってきて事情を話していますね。
シャティさんも来たようですが、顔が引き攣ってますよ?
「シ、シロ様……」
「おはようございます、シャティさん。どうしました?」
「想像よりも数が多いのですけど……」
「他の群れのボスを倒した事で増えたようですよ。
大丈夫です。ここで襲いかかるようなバカはいません」
「そ、そうですか……。
これが昨日の話にあったスカーフですけど……巻いても大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ。では1頭づつこちらに来るように言いましょうか」
古株は問題無く巻かれていますね。
新参者の中には威嚇をした者が居ましたが、私が制裁をしておきました。
それからはおとなしくなりましたね。
おや? 古株もしっぽが足の間に入ってますよ?




