表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

対決

ちまちまと更新。

彼と彼女の二度目の邂逅です。

道場にただならない緊張が走っている。それもそうでしょうね、道場師範の孫娘で道場師範代の私と、爺ちゃんに一撃入れたなんて噂の謎の人物。試合が見れるならそりゃあ、興味深いでしょうけど、いざお互いが対峙すると、互いの殺気がぶつかり合って、野次馬なんてとてもできないし。


さて。この道場では防具は最低限しか着けない。使うのは竹刀だが、当たれば痛いし、下手をすれば怪我だってする。でも爺ちゃん曰く。


『痛みに慣れずして実戦で戦えるものか!』


らしい。いや、爺ちゃん。この道場に通ってる大半は部活に入ってる人とかあくまで趣味でやってる人だから。そのうち死人が出るよ?


「両者向き合って、礼!」


今審判をやっている人は、爺ちゃんの数少ない弟子の一人、斉藤勝次さん。一番最初に弟子になった人で、爺ちゃんほどじゃないけどとても強い。まあ、ぶっちゃけて言えば私より弱いんだけど。本人は爺ちゃんの孫娘だから仕方ないなどと言っていたが、それでいいのか、一番弟子。まあ、それはさておき試合に集中しないと。


今私がつけている防具は籠手と面と胴だけ。一応袴には着替えてはいるが、垂はない。一方相手は防具ひとつ身に着けていない。頑丈だから竹刀程度で殴られても平気だそうだ。なんかムカッとするなぁ、それにあの狐の面が余計に私の神経を逆なでしてくる。面着けなさいよ。


「始め!」


いいわ、そっちがその気ならボコボコにしてあげる!






お孫さんと試合することになった。何だろ?相手からただならない殺気を感じます。なんかしましたっけ、私。あ、そうか。私が防具着けずに狐の面かぶったまんまだからかな? でもこれ取っちゃうと私の死神としての負のオーラがダダ漏れになっちゃうんですよね。変装のためにわざわざ私の数少ない友人に頼んで作ってもらった代物なので、これでばれちゃったら立つ瀬がないですし。とりあえず、ササッと終らせちゃいましょう。お孫さんとはいっても、六源さんほどじゃないですし。






俺は今信じられない光景を目の当たりにしていた。


「くっ!」


「…………」


防戦一方のお嬢に、無言で竹刀を振り続ける相手の人物。お嬢ははっきり言って俺より強い。師範の一番弟子でありながら情けなくは思ってはいるが、お嬢の剣術は天性のものがある。いくらルールが剣道であっても、お嬢の剣捌きにはとうてい太刀打ちできない。


今の試合相手も、最初はお嬢の剣戟の嵐に、防戦を強いられていた。それが今では完全に逆転している。お嬢が猛攻を始めてからまだ1分も経ってなかったってのに、それ以降お嬢の剣筋を見切ったかのように受け流したりカウンターを入れたりしている。今じゃ完全に攻勢に回ってるのはあの男のほうだ。


噂じゃ師範に一撃入れたって話だが、こりゃもしかしたら本当かもな。






ちっ! 全然当たらない! 太刀筋を読まれ始めてるの!? 変幻自在が売りの村雨流の剣術指導を爺ちゃん直々で受けてきた私の剣筋を!? どんだけ強いのよこの人! あ、しまっ! あっぶな! 今のカウンター完全に油断してたわ!


……どうしよう、このままじゃ門下生に醜態をさらす羽目に……。

……仕方ない、とっておきのあれでいこう。本来なら怪我じゃ済まなくなる可能性があるから封印してたけど。この人ならうまく衝撃を流せるはず……。


とりあえずいったん間合いを開けて。やや腰を低く構えて。足をばねにして力を溜める。


そして。


(一気に爆発させる!)


私は相手へ突撃していった。






(あの構え・・・!凛音の奴あれを使うつもりか!)


村雨流の剣術修行の折、儂は凛音にある奥義を授けた。一般人相手には絶対使うなと固く使用を禁じた奥義。凛音は幼いころから武の才能があった。それを生かせる世ではないのが悔やまれるほどにじゃ。


じゃから村雨流の基礎を完全に会得した時に、奥義の一つを授けようと思い、凛音が10歳の時にあの技を教えたわけじゃが……。


正直あれ程のものになるとは思わんかったわい。生まれつき"気"が大きいあやつが使うとああも強力な技になるのかとな。きっとあの技と相性が良かったんじゃな。いやまさか、練習用の案山子に着けてた防具ごと粉砕するとは思わんかったわい。


凛音、頼むからくれぐれもその人を殺さんようにな。






何だろあの構え。ひょっとして村雨流の技? だとするとまずいですね。これ、下手すると吹っ飛ばされるかも。六源さんと試合した時もそうでしたし。どうしよう。


ん? こっちに突進してきたって速っ!? まずい! 防御が間に合わない!? ええい、こうなったら受け流してやりましょう!






私は呆気にとられていた。私の最高の一撃、村雨流の奥義にして、禁断の技、『雷霆(らいてい)』。極限まで溜めた足の力をばねに、低い構えから猛突進して突きを放つ大技だ。その分動作の隙が大きくて、直進しかできないのでかわされたらそこまでなんだけど、この雷霆の真価はその速さ。


低く構えた走りづらい姿勢を維持しつつ、速さを落とさずに突きを放つので、避けようにも反応が追いつかないのだ。以前これを案山子に放ったらとんでもない状態になったので封印してた。でも、今回は相手が相手だったからこの技を使ったんだけど。


「まさか受け流されるなんてねぇ……」


受け流された私は道場の壁に激突し、壁を大破させて逆さまになった状態でそうつぶやいた。ちなみに、あとで爺ちゃんに罰として壁の修理をさせられました。私は左官じゃないんですよ爺ちゃん!

なんかバトルものっぽい感じに。

でも戦闘描写下手すぎて笑えてきます。

ははははは。はぁ……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ