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614列車 トンネルを抜けなくともその場は寒い

 2062年4月4日・火曜日(第28日目)天候:晴れのち曇り 東日本旅客鉄道(ジェイアールひがしにほん)上越線(じょうえつせん)新前橋(しんまえばし)駅。

新前橋(しんまえばし)7時24分→水上(みなかみ)8時17分

 E233系に乗ると一昔前の首都圏の列車に乗っている気分だ。だが、ここは高崎(たかさき)からさらに北に向かい線路に続いている。新前橋(しんまえばし)から水上(みなかみ)に向かう列車に揺られた。1時間ほどで水上(みなかみ)に着く。

水上(みなかみ)8時24分→土合(どあい)8時34分

ハムタマゴのあだ名が付けられたE129系に乗り換える。2両編成の電車には少ない18切符ユーザーを乗せて、水上(みなかみ)駅を発つ。

 5分ほど走ると列車はトンネルの中に入り、たくさんの蛍光灯が付いているところで停車した。付いているLCDの画面を見てみると「湯桧曽(ゆびそ)」と表示が出ている。新清水トンネルの中にある湯桧曽(ゆびそ)駅らしい。

「フュー。」

トンネルのために音がこだまする。湯桧曽(ゆびそ)駅を出発し、ホームを照らす蛍光灯がゆっくりと後ろへ流れ始める。

「次は土合(どあい)土合(どあい)です。降り口は右側です。」

E129系の白いライトは真っ暗なトンネルの中を煌々と照らす。スピードを上げるため、ゴーッと大きい音が車内に届いてくる。

「まもなく土合(どあい)土合(どあい)です。降り口は右側です。」

まだトンネルを抜ける気配はない。真っ暗な風景が続いていく中でパッと明るいところが現れる。

「降りるか。」

僕は(もえ)に声をかけた。

「はい、はい。」

(もえ)は返事をして、荷物を背負った。

 列車はスピードを落とし、蛍光灯の照らすホームへと入った。列車が完全に停車してから、ドアが開く。ここはちゃんと旅客営業をしている駅なのだ。ヒンヤリとした空気が車内に入ってくる。ホームに降り立てばさらに冷えている気がする。コートの前ボタンを閉め、これで耐寒装備は万全だ。

 降りた人数はそう多くはない。僕ら2人を含めて6人が降りた。そのうち3人はこの駅で降りるには似つかわしくない格好をしている。彼らは鉄道ファンだろう・・・。

最長往復切符往路土合(どあい)駅で途中下車

「フュー。」

トンネルの中にVVVFの音が響き始める。だんだんと列車の姿は小さくなったが、走行音は狭いトンネル無いに反響して、完全に見えなくなってからも僕らの耳に届き続ける。

 僕らはその音を肴に土合(どあい)駅を歩いてみた。待合室がおかれているが、中を覗くととても待合が出来るような状態ではなかった。ゴミがあり、それには巨大な白いカビが生えている。この中の環境はカビには最高だが、人間には最悪だ・・・。

 使わない位置にはそれ移譲先に行けないように作画出来ている。この辺りには臨時列車以外で来るものは無いからこれでもいいのだろう。そして、ホームの真ん中には階段が延々と続く場所がある。上を見上げると僕らと一緒に降りた4人はもう階段を上っていっている。

「鉄道ファン3人は元気が良いみたい。駆け上がってるよ。」

「山登りのためのデモンストレーションでしょ。」

「谷川岳はまだ山開きしてないだろ・・・。」

 僕はちらりと時計を確認する。時間は8時40分になっていない。次の列車まで残り1時間15分以上ある。

「さて、登るか。」


一口メモ

東日本旅客鉄道(ジェイアールひがしにほん)上越線(じょうえつせん)土合(どあい)

上越線(じょうえつせん)に設けられた駅の一つ。元々単線であった上越線(じょうえつせん)を複線化する際、下り線はこの辺りをトンネルで通り抜けるようになったため、下り線の土合(どあい)駅ホームは隣の湯桧曽(ゆびそ)駅と同様に新清水トンネル内に設置されることとなった。下り線と上り線は長さ約500メートル、階段計484段でつながれており、駅舎から下り線ホームへは10分ほど時間を要すると言われる。


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