第15話
意識が戻った時、恵民署の天井があった。右腕が重かった。動かそうとした。動かなかった。
「腕は戻る。神経は死んでいない」
コ・ジュマンがそれだけ言った。それで十分だった。
数日、動けなかった。眠れない夜は銅人経のことを考えた。水が出た瞬間のカツッという金属の音、それからピシャッという水音。何度思い出しても夢のようだった。腕の痛みが証拠だった。チニョンは毎日来た。何も言わずに来て、傍らに座って、帰った。言っていた通りだった。
退院の日、クァンはミョンファンの執務室へ一人で行った。包帯の巻かれた右腕を前に出した。「折っても、無駄でした。貴方がどれだけ闇を動かしても、私は医師として貴方の前に立ち続けます」。宣言ではなかった。事実の確認だった。ミョンファンが背を向けた。
「次はないぞ」
クァンは頭を下げて出て行った。廊下を歩きながら、右腕が疼いた。疼きながら、まだ動いていた。それで十分だった。
翌週、典医監の教授が書類を見ながら言った。「十日間、医女の詰め所で薬草の洗浄と看護の基礎を学び直せ」。反論を待っていた顔だった。クァンは頭を下げて出て行った。牧場に来た初日、老医師は糞を片付けろと言った。始まりの場所を恥じる気になれなかった。
医女の詰め所で薬草を洗った。艾葉の乾燥が足りない株を匂いで見分けると、翌日から持ってくる者が増えた。熱を測り、脈を取り、知らないことは聞いた。チニョンにも、他の医女にも。知らないことを知らないと言えない人間が命を扱う方が、よほど恥ずかしかった。三日目の夜、クァンは言った。
「教本の文字より、薬草を触って病人の声を聞いている場所の方が、俺には合っている」
「最初からそうだったでしょう」
「でも、感覚だけでは人に伝えられない。感覚を言葉にする方法を、試験の準備で初めて学んだ気がします」
チニョンはしばらくクァンを見ていた。「貴方を医女の詰め所に送った人たちは」
「ええ」
「間違えましたね」
「ええ」
薬草の匂いが部屋に漂っていた。
七日目の朝、コ・ジュマンが来た。「漢陽の南側で、発熱の患者が増えている。高熱と発疹だが、痘瘡とは違う出方だ」
利川の時を思った。「見に行っていいですか」
「行け」
クァンは銀鍼の箱を取った。チニョンが立ち上がっていた。「私も行きます」。止める言葉が出なかった。二人で詰め所を出た。




