デザイナーとして
メィリィが新たに作った、男性用のパーティ服は飛ぶように売れた。
隣国パルスにて。
元より宝石の国と呼ばれているパルスは、その特産品の影響で男女ともにお洒落に対する関心が高い。
一風変わった刺繍やデザイン性の高さなど、メィリィの服は好まれたようだ。
パルス国の王族が好んで着用していること、そして国王ルアネドが自ら、
「従兄弟の奥方がデザインをしており、アドガルムの王太子妃も着ている」
と触れ回ったのも大きかった。
メィリィは大き過ぎる宣伝効果に負けないよう、頑張った。
時にはパルス国でデザインの勉強をするため、数週間滞在する程に。
置いていかれたオスカーは、
「たまには家にいて頂戴」
と泣いて訴えるほど熱心だった。
兄のイヴァンの結婚式も恙無く行われた。
義姉となるファランはメィリィが仕立てたウェディングドレスを着てくれた、華やかな式だった。
マーメイドスタイルの清楚なデザインと厳かな刺繍。
スカート部分は小粒ながら上質なダイヤを散りばめさせ、華やかさを演出する。
イヴァンの衣装はオスカーが担当した。
見た目はシンプルにし、裏地に力を入れた。
襟元や袖口、動けば上着の裏に金糸の刺繍が見え隠れする。
わかりやすい派手さではなく、隠れたオシャレを演出したものだ。
「これならまだ着やすいでしょ?」
参列したオスカーは紺色の服を身に着け、黒髪にしていた。
毛先だけ水色にしている。
化粧も控えめにして大人しくしていた。
メィリィは水色を基調としたAラインのドレスを着用していた。
紺色の小物やリボンでアクセントを取っている。
水色はメィリィの瞳の色だ。
装飾品にと選んだ宝石はフローライト。
紫と水色の混じったバイカラーのもので、ベゼルは金を使用した。
兄の幸せそうな姿にメィリィは安心した。
自分を心配し、己のことを疎かにしていた兄が、ようやく自分の幸せを掴んでくれたのだ。
数カ月後、自分たちの式の準備はもっと大変になった。
メィリィとオスカーの衣装以外も、参列者のドレスや礼装を作らなければならなかったからだ。
交流のあるデザイナー仲間にも手伝ってもらい何とか仕上げられたが、メィリィは式当日には既に疲れすぎていて、正直あまり覚えていない。
オスカーはあの時の映像を魔法で魔石に残し、何度か見返して満足そうに笑っている。
「この時のメィリィがアタシの最高傑作だわ!」
お読み頂きありがとうございました。
応援して頂けるとすっごく励みになります。
今後も作品をよろしくお願いします(*´ω`*)




