前へ目次 次へ 4190/4238 ユーリと深緑10《深夜勤務マン5・暫定》 「――そろそろ、か?」 ふと、瞼の裏に浮かんでいた深緑が掻き消え、燃えるような赤一色に侵略された。まるで『此処からは自分の領域だ』と主張せんばかりに。 そうした自己主張が激しかった事もあってか、ユーリは目的地へ近付いた事を察した。 「今度は赤、か」 目に優しい深い緑。静かなる森を思わせるそれとは対極にある色。鮮烈な、全てを燃やし、壊し尽くすかの様な暴力的な目に痛い色。一体、今度待ち受ける存在はどんな人間なのか……。