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-刹那の出逢い-
「ひめさま?」
コンコン、と控え目なノックで目が覚めた。
どうやら眠っていたらしい。
外は、既に西日のオレンジ色で染められていた。
「セリアさま?ジルダです。“蜘蛛”の仕事、終わりました!」
幼い声に誘われる様にセリアは意識を覚醒させた。
(さっきのは誰だったんだろ…?)
緩く頭を振りながら夢の内容を思い返す。
10の頃に女王となった時より恋人なんかいなかった。
記憶をどう辿っても、合点が行かない。
「お疲れ様、ジルダ。怪我はない?ゴメンね?・・・ホントは、こんな仕事させたくないのだけど…」
女王の言葉を聞き、ジルダは嬉しそうに頭を振る。
セリアに対し、淡い想いを抱いている彼からすれば危険を冒す任務ですら、苦ではない。
一方、セリアはセリアで身寄りの無いジルダを弟の様に敬愛している為、余り危険を冒して欲しくは無いのだ。
が、本人の強い希望により、無下に却下も出来なかった。
ともあれ、無事を労い2人だけでお茶を楽しむ事にした。




