我らが姫
「じゃあ俺がリード、長谷川さんがベースで、」
「桃花でいいよ。あ、律くんもね!」
「おっけ、じゃあ桃花がベースで、陽翔が、」
「アツでいい」
「え、この前ダメって言ったじゃん」
「うるせえ」
「あ、もしかして僕たちに懐き始めたの?うにゃ~~よしよし~えらいこですね~~」
「チっ、うぜええええええええええ」
「あははは!!んでアツがドラムで、我らが律さまが、」
「ちょ、我らがとか、様とか辞めてよ…」
「ギターボーカルだあああああああ!!!」
「ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
深夜テンションでうるさい二人とそれを見て爆笑する僕と桃花さん…桃花。この構図はいつの間にか定番になってきている。深夜テンションはピークを迎え、笑いが収まった後ドッと疲れが上から降ってきたので今日はここで解散することになった。
「ふぁぁ…ん、これ、昨日徹夜で作ったからアレだけど」
「え、なになに?」
「曲。作ったの。」
「「えええええ!?」」
今日も今日とて集まっている僕たち。アツは仕事がおしていて少し来るのが遅くなるとのことだった。
昨日話し合いをしての今日だ。
何となく僕たちは毎日会って話し合いをしているのだが、まさかの桃花ちゃ…桃花が曲を作ってきてくれた。全くそんな話出てなかったし、そんな素振りも見せてなかったのに…すごくうれしい。
バンドメンバーであることをすごく感じて、“バンドを組めた”という事実を改めて実感する。結成してからはもう時間たってるのにどうしても未だ憧れを始めたことに心がどこか浮ついている。
「まだデモ音源だけど…」といって僕たちにパソコンを見せてくれる。そこには僕がずっと憧れ続けてきたものがあった。パソコンの画面には彩り豊かによくわからない英語と楽器の波形がたくさん映っていた。DTMと呼ばれるものだ。実はいうとそりゃあ憧れがあったし、DAWを大学のパソコンに入れたこともあったけど音の出し方が分からなくて諦めちゃったんだ。そんなDAWをいとも簡単に操作する桃花。
「…かっこいい…」
「、え?」
「ごめん、あ、いや、本当にすごいなって思って…。僕はDAWの操作よくわからなくて諦めた人だからも、桃花、ちゃんかっこいいなって。こんな難しいの操作して一日で曲作れちゃうんでしょ?すごいよ!本当にかっこいい!もう僕の憧れだよ!すごい!それに…」
「律~そのくらいにしときな~」
「え?」
「姫が照れてらっしゃるので」




