表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/104

※あとがきと登場人物紹介③

 

 ここまで長くお付き合いありがとうございます。


 あ、あとがきの前に、まずは……



登場人物③:(生年の一部は推定。※つきは筆者設定)


《第五章・第六章》


ストラボ、ルキウス・セイユス(※前48)

 財務官隊の隊長の一人。後の近衛軍長官で、二作目にも登場。

 つまり、あの人物の実父。(養父がアエリウス・ガルス)


タウルス、スタティリウス(※前70)

 首都長官。アウグストゥスの友人で将軍。


リヴィウス(前59)

 歴史家。あまりにも有名。著作は(拙著として)肝心なところが散逸している。


ティグラネス

 アルメニアの王子。現国王の弟で、ローマの保護下で暮らす。


テオドルス

 ティベリウスの幼少期の家庭教師。現在はロードス島に居住。1作目に登場。四十代後半。





以下、あとがき

(いわゆる史実ネタバレがございますので、注意)





ルキリウス・ロングス(前42※~後23)

 生年は筆者の設定です。没年はタキトゥスの『年代記』に記されています。

 ティベリウスのロードス島引退にまでつき合った唯一の元老院議員に関しては、スエトニウスなども触れております。しかしそれがルキリウス・ロングスという名前であったことを記しているのは、おそらくタキトゥスだけ。

 タキトゥスがどれほど辛辣にティベリウスを批判していようと、この一事だけで私などは深々と頭を下げたくなる思いです。

 歴代執政官名簿には後7年の補欠執政官としてルキリウス・ロングスの名前がありますが、タキトゥスが書いていてくれなければ、この人がティベリウスの親友だったことがわからないままだったでしょう。

 補欠執政官として名前が残ったのも、正規執政官が任期中にお亡くなりになったためらしく、これもなんと言いますか、歴史の偶然。

 タキトゥスは「新人」と書いているので、ルキリウスは平民身分であり、一族で初めて元老院議員になった人であったのは確かでしょう。したがって財務官、法務官という順を当然経たはず。貴族身分の人らより少し遅い年齢で。しかもティベリウスの引退に7年付き合っていながら……という事実を考えると、年齢はティベリウスより極端に上とか下ではなく、かなり近かったんじゃないかと思います。

 子どもはたくさんはいなかったんじゃないか、もしかしたら独身だった可能性もあります。ティベリウスの後援を得ていても「補欠」当選だったわけで、そうなると当時のアウグストゥスが子だくさんの男が選挙で有利になる法律を出していたことからして。

 ルキリウスが亡くなったのは、後23年の、おそらく秋以降。

 ティベリウスの一人息子ドルーススが、同年に亡くなるのですが、これが9月という説があります。そしてタキトゥスの書き方からするに、ルキリウスが亡くなったのは同年のその後。

 つまり後23年の秋から冬にかけて、ティベリウスは一人息子、双子の孫の一方、そしてルキリウスを失ったことになります。

 ……つくづく最悪のタイミングで死んだな、この人!……と思ったのが、本作を書くにあたって抱き続けた思いでした。

 まぁ、でなければタキトゥスが記してくれなかった可能性もありますが……

 「このタイミングが本当に偶然だったのか?」疑惑は、ここではさておき、ティベリウスはこれら息子と親友の死から3~4年後に、カプリ島へこもります。コッケイウス・ネルヴァが元老院議員として一人、同行します。

 本作に登場したティベリウスの友人らで、没年がはっきりしないのはマルクス・メッサリヌスだけ(ただたぶん死因みたいなのは書かれている。プリニウスだったかな)。ほかの人らは記録が残っています。

 拙著としてはバッド・エンド寄りと申しますか、しかしタイミングが最悪だっただけで、ティベリウスと同年代であったのなら、当時としては長生きではあったわけで、決してバッドなどと決めつけるようなことはなく、

 ただ、それにしてもタイミングが──(しつこいので終了)


 このあと二作目に行かれますと、もしかしたらお笑い度……いやニヤリ度が増すかもしれませんので、よろしければぜひ(えっ)。


 ティベリウスの物語も、これで三作目が結びとなりました。

 一作目を書き出してから、ほぼ十年でした。


 あとがきでよく書いておりますように、ティベリウスの人生の最期まで書くつもりでおりますが、このペースでは次はいつになることやら。


 ともあれ、どうなることかと思いましたが、アラビア編まで書けて満足です。

 亀四人衆のおこがましいオマージュを入れられたので満足です。ここだけ真っ先にイメージしていたとか言えない……(言ってる)

 女王カンダケを書けて満足です。

 参考文献中に、彼女のすばらしい迫力の挿絵を見つけたと思ったのですが、見失ってしまいました。おかしいな。コルネリアのモデルの件もあるし、こちらの記憶違いか、それともやはり見落としか。文面は参考文献中にございました。アウグストゥス、まさかの絶体絶命!みたいな勢いで、最高でした。


 さて、ティベリウスの物語、現在三部作のようになっております。


一作目:家族の愛

二作目:男女の愛

三作目:友の愛(友情)


……のような感じでテーマを決めて書き出した本作でしたが、途中で脱線に次ぐ脱線をくり返し(※ブログにて)、

 結局前作から3年以上の月日が経ってしまいました。


 本当に、前々作や前作を踏まえて読んでくださった方々には、感謝してもしきれません。何年経ったと思っているのか。最近読んでくださったとしても、どれほどの分量だったのか、と。

 本作からお付き合いいただいた方々にも、不親切かつ一部強引な展開もあった中、ここまで読んでくださったことに心より感謝申し上げます。


 今後ちょっと筆者の生活環境が変わるうえ、次作の構想がこれまでにもましてなにも思い浮かばない状況なのですが、おそらくこうして書くことをやめることはできない人間ですので、いつかはまた戻ってくると思います。


 ブログのほうにも「あとがき」ないし「こぼれ話」を載せます。今後しばらくはそちらとTwitterで、次作の準備をする予定です。


 その時はまた、ご縁をいただけましたら幸いです。



 ありがとうございます。

 またお会いしましょう。




 東道安利





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ