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9ー 異変

「領主、これが今日の出来高です」


「よろしい」


 俺、ボルカン・ゲーヌが領土の鉱山の出来を見る。

俺の管理する領土一番の取引が鉱山で産出される鉱石の輸出と武具の輸出。

帝国の中で一番火と共に生きているのが俺ら、ボルカン家とその領民なのだ。


「――おかしいな」


「はい。 ミスリルと言った希少金属はもちろん、鉄や石炭と言った通常鉱物の産出量も減っています」


「うーむ……調査に出させるか……おい、適当な冒険者を見繕ってストス大火山に向かわせてくれ」


「わかりました」



「領主! 領主! 大変です! これを!」


 従者が持ってきたのは魔導映写機による写真。

そこに映っていたのはこの領土の存続にかかわるものだった。


「溶岩が……冷めている!?」


 火山が死にかけている。

この火山はほかの火山とは違い、一定の間隔で鉱物を精製し続ける特殊な火山。


 俺らボルカン家は何年も前にこの火山を見つけたおかげで鍛冶の技量と相まって貴族となれたんだが……


「この火山が死んだら我がボルカン家は……」


「領主、いかがいたしましょう」


「――王に報告はするな。 それとS級冒険者を雇え。 火山最奥まで調査させる」


 ――何があった?

直近の調査ではこの火山は死にそうにないというのに。


 火山が死んだとたん、俺らボルカン家はもちろん領民すべてが路頭に迷う。

それにこの領地が死んだら魔王軍との戦いに使う武器も無くなる。


 そういえば火山の奥地で思い出した。

出来損ない、バルクだ。


 5歳の時に火山奥地に放り込んだんだっけか?

もしかして生きていて何かやったか?


 ――そんなわけないか。

火山なんてものをいじれるとは思えないしな。



「――ねぇねぇ」


「いかがしましたか? 魔王ラプラス様」


「クライスー少しやばいやついない?」


「――? 私にはそのような魔力は感じられませんが……」


「マジで?」


 クライスはこれでも私直属。

かなり強いはずなのになぁ……


「勇者……? いやでも違うか……?」


 せめて味方になれるかどうか……

種族は……人? いや違う? よくわかんない。

もう片方は何か同族っぽいけど何か混じってる?

よくわかんない。


「――」


 私が見に行くか……?


「如何しましょう」


「うーん。 放置! あなたたちは手を付けないで」


「御意に」


 ――私個人で会いに行くのもいいのかもしれない。

というか見に行かずに暴れられても困る。



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