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キャンバスメモリアル  作者: tom
第2章 出会い
30/33

第30話 セッコウ洞窟


――シキが宿で休んでいると、部屋の扉を叩く音がした。

シキか扉を開けると、真剣な表情でアカが立っていた。


「どうした?アカ。」

「シキ、少し相談というか、聞いて欲しいことがあるの。入れてくれる?」

「あぁ、いいけど。どうしたんだよ、そんな真剣な顔して。」


2人はいつに腰かけ向かい合った。


「…シキ、あのスネズって男の子。少し、変わってるの。」

「どういうことだよ?」

「あたしの知ってる機械っていうのは、色を使うと言っても簡単なものしかないの。というか、ほとんどは電気で動くものなわけ。」

「ほ〜…」

「まぁ、フナバ島では機械自体が少ないから、いまいち掴めないと思うけど…。彼の考え方とか、作ってるものは大分普通とは違ってる。」

「ほ〜…」

「キャンバスのこと、聞いてみたら?」

「それは、そうだな!色の事も詳しそうだったしな!」

「…まぁ、そういうことよ。スネズが作るものは、シキにとってもプラスになるかもしれないし!」

「まぁ、頭においとくよ。――そういや、どうする?今日もするか?」

「――いいよ!」


シキとアカは部屋を出て、組み手をするために近くの広場に向かった。

2人で旅立ってから、続けていた組み手だがアカはシキの成長を感じていた。

技術面、力に関してはシキの方が熟練してきていた。

色がある分アカが勝ち越してはいたが、最近は互角の状況だった。

組み手を終えると、それぞれ部屋へと戻り眠りについた――


翌日、迎えに来たスネズと共に2人は洞窟へ向かった。

道中、シキはスネズに尋ねた。


「なぁ、人の色を奪うことってできるか?」

「何だよ、急に。…そうだな、できないことは無いと思う。」

「本当かっ!?」

「あぁ、理論上はな。でも、無理だろうな。」

「どういうことだよ?」

「色をひっぺがして奪いさればいいだろ?だからできないことはない。けど、そんな技術はまだないし、本人の意思なく色を動かすことはできないから結局は無理。」

「キャンバスを使ってできないか?」

「……いや、本人の意思なくはできないだろうな。それこそ、本人が色の全てをキャンバスに移すことはできても、他人が強制できるもんじゃねーよ。しかも、仮に移してしまったら、生きていけないんじゃないか?」

「そうか…」

「どうしたんだよ?何かあったのか?」


シキはスネズにイロのこと、旅の理由を話した。

スネズは顔をくしゃくしゃにして泣いていた。


「そうか、そうか…。イロちゃんのために……キャンバスを。偉い、偉いなぁシキは〜」

「あ、あぁ…ありがとな。」


そんな話をしているうちに、大きな洞窟の前についていた。

入り口にはセッコウ洞窟の看板が立っている。


「…ぐすっ。あ、着いたな…。2人ともここがセッコウ洞窟。鉱石人形(オルアマン)がいるところだ。ぐすっ…」

「いつまで泣いてんだよ…。スネズ、説明してくれ。」

「…ぐすっ。もう、大丈夫だ。説明するぞ?ここはセッコウ洞窟、世界最大の洞窟だ。進むにつれて高度も下がり、危険な虫や動物も多い。中でも中腹より下に行くと鉱石人形(オルアマン)っていう、化け物が出てくる。その名前の通り、体は硬い鉱石で覆われていて、大人が5人掛でやっと倒せるくらいだ。」

「その、鉱石人形(オルアマン)の倒し方は?」

「それはだな…」


スネズは荷物をガサゴソとして、自慢げに何かを取り出した。


「これだ!」

「何だよそれ…」

「知らないのか?これはピッケルという!」

「…それで?」

「これを鉱石人形(オルアマン)の中心に刺す!そして色を流し込めば倒せるのだ!」

「……はぁ。」

「何だよ。その反応は!これ作るの大変だったんだぞ!」

「いや、それがあるならお前1人でも大丈夫だろ。」

「……それは無理だ!」

「何で?」

「近づけないから。」

「……」


3人はセッコウ洞窟に足を踏み入れた――


次回は

9月1日(水)21時

投稿予定です。


ぜひ、お楽しみください♪

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