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キャンバスメモリアル  作者: tom
第2章 出会い
22/33

第22話 忘れ物


――翌朝、2人は宿を引き払いドラフターに向けて出発した。

ハンプを出る時、2人のもとへカラスロがやってきた。


「もう、出発されるのですか?」

「あ、カラスロさん。お世話になりました〜。」

「あぁ、とりあえずドラフターに向かうことにしたよ。」

「そうですか。探し物が見つかると良いですね。」

「ありがとう。カラスロさんも自警団頑張ってな。」

「はい、街のため頑張りますとも!では…」


挨拶を交わすとカラスロは街へと戻っていった。


「いい人だね、カラスロさん。わざわざ見送りに来てくれたんだ。」

「そうだな。――よし、行くか!」


2人はハンプを後にして、ドラフターに向けて旅立った。

しばらく歩いたところで、シキはアカがずっとそわそわとしていることに気がついた。


「何だよ?何か忘れ物か?」

「い、いや!別に大丈夫!」

「ずっと落ち着きないぞ?どーしたんだよ。」

「……ごめん!あたし、やっぱ銃が欲しい!」

「はぁ?いらねーって言ったじゃねーか!」

「でも…やっぱりあると便利かな〜とか思って…」

「いや、いらねーだろ。何に使うんだよ。」

「…ほら!鳥とか捕まえやすくなるし、そしたらご飯も豪華になるじゃん!」

「…はぁ。」

「ね!お願いシキ。」


シキはハンプの方へと向けて歩き出した。


「ありがとう〜。お詫びに美味しいご飯作るからね!」

「――だから、昨日確認したのに。」

「ごめんって〜。」


2人はハンプへと戻っていった。

道中、シキはアカに小言を言い続けた。そして再びハンプへ着く頃には2人は言い争っていた。


「しつこいな〜。そんなんじゃモテないぞ?」

「モテるとかモテないとか、関係ないだろ!」

「――小さい男。」

「は?何だって?」

「なーにも言ってないよ?」

「言っただろ!小さい男って。」

「聞こえたんじゃん。いちいち聞き直すな!」

「あー腹立つ!お前1人で買いに行け!」

「はいはい。1人で買いに行きます〜。おこりんぼと行っても楽しくないし〜」

「早く行け、ばーか。」

「バカって言う方がバカなんです〜。」


アカは露店に向けて走っていった。

シキは腹を立て落ち着かないまま、ウロウロとしていた。

そして、不意にザックのことを思い出した。


(腹立つと言えば…おっさんどーしてんのかな?)


シキはズックの家へと向かって歩き出した。

ドアの前に立ち、シキはズックに向かって声をかけた。


「おーい、おっさん!シキだけどー。今日旅立つからよー。一応挨拶に来たぞー。」

「……」


返事はない。どうやら留守のようだった。


「何だよ。挨拶に来たってのに。」


シキがその場から立ち去ろうと後ろを振り向くと、遠くからズックが歩いてきてるのが見えた。

酒に酔っているようで、ふらふらとこちらへ向かっている。

シキは心配になってズックへと駆け寄った。


「おーい、おっさん!大丈夫か?」

「……シキか。お前、旅立ったんじゃなかったのか?」

「アカの奴がよー、忘れ物して戻ってきたんだ。てか、知ったたのかよ。」

「…今、カラスロに聞いてきた。」

「そーか。おっさん仲良かったんだな。」

「仲が良いだと?ふざけるな、あんな奴と仲が良いわけあるか!」

「何だよ急に大声出して。」

「…ふん。他所者のお前には関係ない。」

「また、それかよ…。そーいや、リンネルは?ずっと姿見せなかったんだけど。」

「…攫われたよ。」

「――は?攫われたって誰に?」

「…カラスロだ。」

「――そんなわけないだろ。あの人自警団のトップだろ?」

「…ふん。これだから他所者は…もういい、さっさと旅に戻れ。」

「そんなわけにはいかねーだろ!リンネルを助けないと!」

「…さっさと旅立て。」

「お前が真っ先に動くべきだろ!お前、助けてもらったんだぞ?」

「…余計な世話だ。」

「ふざけるなっ!」


シキはズックを思い切り殴った。

ズックは倒れた。酒に酔っていたズックは、起き上がることもできなかった。


「お前は最低な奴だ!もういい、俺がリンネルを助けに行く!」

「……」


ズックは何も言わず、その場で拳を握りしめていた。

シキはズックに目もくれず、屯所に向けて走り出した。

屯所に入ろうとした時、自警団の男が声をかけた。


「あ、シキさん!どうしました?旅立ったんじゃ…」

「…カラスロに用があってな。いるか?」

「先程、戻られたのでいると思いますが…」


シキはカラスロの部屋へと向かった。


「入るぞ!」

「――おや、シキさん。旅立たれたんじゃなかったのですか?」

「…リンネルはどこにいる?」

「――はい?」

「リンネルだよ!」

「誰のことだか…」

「ズックのおっさんを慕ってた奴だよ。知ってんだろ?」

「――あぁ、彼ですか。彼なら地下で保護してますよ。」

「会わせてくれ。」

「…面識があったのですか?」

「あいつがズックを助けるように俺たちに言ってきたんだ。」

「わかりました。では、ついて来てください。」


シキはカラスロについて、屯所の地下へと向かった。



「…何だか、怒ってらっしゃるようですね。」

「…お前が攫ったって聞いたからな。」

「――そんなわけないでしょう?彼が貧しい暮らしをしていたから保護しただけですよ。」

「何で、今更なんだよ。」

「――ズックのせいですよ。彼は怪しい連中と連んでいますからね。」

「……」


地下についた。柄の悪い男が扉の前に立っていた。


「どうしたんです?カラスロさん?」

「何でもない。コンテ、扉を開けてくれ。シキさんが保護した子どもに御用のようだ。」

「…わかりました。」


コンテと呼ばれる男が、扉を開いた。シキは薄暗い牢屋に入っているリンネルを見つけた。


「リンネル!」

「……シキ?」


シキが牢屋へと駆け寄った。

リンネルは怪我をしているようだった。


「…これが保護か?」

「……」

「何とか言えよ!」


シキが怒鳴りながら振り向くと、コンテがシキに向かって襲いかかってきた。


「残念です。シキさん、戻ってこなければ良かったのに…」


カラスロが薄暗い闇の中でつぶやいた――

次回は

7月16日(金)21時

投稿です!


ぜひ、お楽しみください♪

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小さい男って言ったのが面白かったです。 思わず吹き出してしまいました。笑 また楽しみにしてます。
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