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「お前意外と……いや、なんでもない。これも頼む」
できる奴なんだな。そう言おうとして慌てて高野は口を噤んだ。まだ会って数時間しか経っていないが、褒めると図にのるタイプなのが目に見えている。
「三年ぶりの新人だ。だが、SDTで任務を遂行する者として責任を持ってほしい。年下だからと甘やかさず、厳しく接しよう」
そう高野がSDTメンバーを戒めたものの帰り道、
「初日に遅刻してくるなんて、逆にお前は大物だ。なんだって結果出せばあとは何も言わん」
部長であり、SDT東京本部を取り仕切っている立場の武田が由莉をべた褒めしている。
「高野が厳しく接しようって言ったのに、あの人もう忘れてるよ。どうするの?」
どうするのと言いつつも小川は、鋭い視線を武田に向ける高野を見てニヤニヤしているのが丸わかりだ。
「お前、なに面白がってんだ」
機嫌の悪そうな高野とは反対に、上機嫌な武田の言葉を真に受けた由莉は
「何も言わないって本当ですか?仕事中にSNCのコンサートに行っても?そうすると、もっと仕事の効率が上がると思うんです」
と無邪気に尋ねた。
「有給なら構わん。仕事の効率は大事だからな」
「いや、それとこれは違います。武田部長、勝手なことはやめてください」
由莉の肩に手をのせ大声で笑う武田を高野が必死に止めた。




