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第7話 「ダンジョンの口」
街道を外れ、森の奥へ分け入ると、やがて木々が不自然に途切れた。地面にぽっかりと黒い口を開けているのは、苔むした石造りの遺構――最初のダンジョンの入り口だった。冷たい風が地の底から吹き上げ、ノアの鋼の体をかすかに鳴らす。
入り口に足を踏み入れた瞬間、視界の窓が赤く点滅した。新しい文字が浮かび上がる。「警告。この封印の守護者――ベヒモス」。地を統べる巨獣の名だ。フィーナは剣を抜き、油断なく闇を見据えた。「噂どおりね。奥に、とんでもないのが眠ってる」。
ノアは窓に地図を呼び出した。最下層までの道筋と、点在する敵の反応が、薄く光って示されている。彼が先頭を歩こうとすると、フィーナがその肩を掴んで引き戻した。「待ちなさい。前衛は私の仕事。あんたは後ろから魔法。役割ってものがあるの」。
二人は、松明の灯りも届かぬ闇へと、一歩ずつ降りていった。




