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オタクの友達が性転換しました  作者: 藤桜


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18/18

第18話 《ミスコン》

 ミスコン開催まで残り約1時間。

 柚月は井上さんと共に更衣室へ急いで向かった。

 俺はその後ろ姿をただ見守るしかなかった。

 適当に校内を見ながら時間を潰したがなんだか落ち着かない……。

 俺は早めに会場である講堂へ行くことにした。

 講堂にあるステージでは個人での出し物が披露されていた。

 バンド演奏をする者や漫才をする者。

 それらを見ながらミスコンが始まるまで待って居ると藁科(わらしな)がやってきた。


「やっぱ鷹尾じゃん。もしかしてミスコン目当てか?」

「まぁそんな感じかな。柚月が急遽出場することになってさ」

「小鳥遊が!? やっぱ噂は本当だったんだな」

「噂?」

「小鳥遊が井上と一緒にミスコン用の控室に入って行くのを見たやつがいるんだよ。最初は見間違えとかだと思ったんだけど井上が出場者探していたって聞いてさ。小鳥遊が出場するとなると俺達のクラスは小鳥遊と辻本の二人かぁ」

「辻本さんも出るのか。てか辻本さん目当てで見に来ただろ。クラスの方は大丈夫なのか? この時間まだ担当だろ?」

「昼のピークも過ぎたしミスコン始まるから人が減ってきたんだよ」

「ミスコンは毎年盛り上がるし学際のメインイベントだからな。そろそろ始まる時間だ」


 ミスコンの開催時間となった。ふと周りを見渡すとすでに会場は満席状態になっていて後ろの方では立ち見をする生徒も少なくはなかった。さすが文化祭目玉イベントだ。

 会場が暗くなりステージにスポットライトが当たると司会の女子生徒が出てきた。


「皆さんお待たせしました。これより文化祭名物であるミスコンを開催します!!」


 その言葉に会場が一気に盛り上がった。

 エントリーナンバー1番から順にステージに立ち1分以内で自己紹介やアピールなどをしていくというルールらしい。順番はクジ引きなのか学年クラスはランダムで登場してきた。

 白いドレスや青いドレス。煌びやかなドレスや落ち着いた感じのドレスなど多種多様だ。

 しばらくすると赤いドレスを着た辻本さんが登場した。


挿絵(By みてみん)


 なんだか大人っぽく見える。

 辻本さんは前回1年生の時ぶっちぎりで優勝をした経験者だ。立ち振る舞いが落ち着いている。


「2年2組辻本彩葉(いろは)。趣味は服やアクセサリーを見たり買ったりすること。ミスコン2年連続優勝を目指しているので投票よろしくお願いします」


 会場は他の生徒以上に盛り上がっていた。藁科もかなり熱い声援を送っていた。

 辻本さんは一礼してステージ裏へ歩いて行った。

 次に現れたのは少しメイクをした柚月だった。


挿絵(By みてみん)


 白い生地ピンクの花柄のドレス姿。しかも胸元が強調されていて谷間が見えてしまっている。

 柚月は色々と恥ずかしいのと履きなれていないハイヒールのため歩き方がぎこちない。大丈夫なのだろうか?

 何とかステージ中央のマイク前に立った。

 

「あっ、えっと―――2年2組のたっ……小鳥遊柚月でしゅ……です。ぼっ、私のクラスでは和風メイド喫茶をやっているので是非来てください」


 柚月は一礼すると少し早歩きでステージ裏へ歩いて行った。

 ステージは辻本さんと同じくらい大いに盛り上がった。

 その後も各出場者が登場し全員が出終わった。


「これにてアピールタイムを終了します。続きまして投票タイムとなります。学生はサイトの特設ページから、一般の方は入り口で配布した紙に記入してこちらの箱へお入れください。1人1票なのでお間違えの無いようお願いします」


 今回からは学生は紙投票ではなく学生専用のサイトにログインしてそこから投票できるようになったみたいだ。

 スマホを開きログイン後、投票サイトへ入った。一覧を見て迷わず柚月に投票をした。

 藁科もすぐに投票をし終わりスマホを閉じていた。誰に投票したかは聞かずとも分かる。

 因みにこのミスコンはトップ3位まで配点がある。

 集計が終わりいよいよ発表だ。

 ステージ上には全出場者が並んだ。


「では結果発表します。呼ばれた方はステージ前へ出てください。では発表します。第3位は―――3年1組青木明日香さん! そして第2位は2年2組小鳥遊柚月さん!」


 柚月がまさかの2位だ。俺以上に柚月が驚いているだろうと思ったが柚月はみんなに注目されている事とまさかの2位という事に思考が追い付いていないみたいだ。

 ぎこちない足取りでステージ前へ歩いて行った。


「そして栄えある優勝者は―――2年2組の辻本彩葉さんです! 2年連続優勝おめでとうございます」


 3名に花束や賞状などが贈呈された。

 ミスコンが終わり柚月は着替えるために更衣室へ行き、俺は講堂を出て藁科と共にクラスの準備室で待った。

 

「まさか小鳥遊が2位とはな。辻本には敵わなかったけど」

「でも公表された票を見ると案外惜しかったみたい。まぁどっちみち順位が入れ替わっても俺達のクラスに入る点は変わらないけど」

「小鳥遊が1位になれなくて負け惜しみか?」

「別にそういう意味じゃないって」


 柚月と辻本さんの投票数は僅差だったのだ。しかも3位との差はそこそこあったため2年2組の圧勝と言われている。

 

「まぁどっちにしろ俺達のクラスで1位と2位取ったからこれはかなりの配点になるな。後はクラスの出し物でそこそこの票を得れば優勝だな。まぁミスコン1位2位が居るから安泰だろ」

「それもそうか」


 藁科と話していると教室のドアが開き柚月と辻本さんが帰ってきた。

 2人の手には賞状と花束とそれぞれ金と銀のプレート、辻本さんは今年のミスコンの優勝者に渡されるタスキが肩から斜めに掛けられていた。

柚月は凄く疲れたような表情をしていた。教室に入るなり机に荷物を置きそのまま近くの椅子に座った。


「緊張したしめっちゃ疲れたよ……」

「お疲れさん。まさか2位なんて凄いじゃん。辻本さんも2年連続優勝おめでとう」

「ありがとっ! これで私たちのクラスは優勝確定かもね」

「そういえばクラスの方はどんな感じ?」

「あっ、そうだった。ミスコンの効果で人が増えてヤバいって連絡あったから荷物置いたらすぐにヘルプに行かないと。小鳥遊は疲れているだろうからゆっくり休んでていいからね」

「あっ、うん。ありがとう」

「ほら、藁科も行くよ」

「はいよー」

「二人ともがんばー」


 辻本さんは藁科と共に小走りで教室へ向かって行った。

 文化祭も残り1時間も切っている。ここからラストスパートなのだろう。

 窓の外を見ると他の屋台でも値引きをしたり呼び込みをしていた。


「値引きしているみたいだけど屋台回るか?」

「僕はいいや。ちょっと疲れちゃったからここで休んでるよ」

「そんじゃ閉会式までここに居るか」


 俺は柚月と話しながら閉会式まで時間を潰した。

 そんな忙しい時間もあっと言う間に終わり文化祭が終了した。

 閉会式では今年の優秀クラスの授賞式とキャンプファイヤーがある。

 校内放送が入り、俺達は校庭にある特設ステージ前に集まった。

 グランドの中央にはキャンプファイヤーのやぐらが組まれていた。


「それではこれより閉会式を行います」


 閉会式が始まった。

 校長先生や実行委員長の挨拶が終わりいよいよ授賞式だ。

 上位トップ5クラスが発表されていった。

 第3位の時点で俺達のクラスはまだ呼ばれていない。


「続いて第2位のクラスは―――3年1組です。クラスの出し物はクレープ屋で特に女性の票が多いですね。そして今回のミスコン第3位票もあり第2位となりました」


 第2位が発表された瞬間俺達のクラスはざわめき始めた。

 そしていよいよ第1位のクラス発表だ。


「それでは第1位のクラスを発表します。栄えある第1位は―――2年2組です!!」


 その瞬間俺達のクラスは大歓声を上げた。

 柚月も人目を気にせず喜んでいる。


「2年2組は和風メイド喫茶を出しており男女共に票が多かったです。そしてなんと言ってもミスコンの1位と2位の得点も多く圧倒的大差でした。それでは2年2組の実行委員の方は壇上の方へ」


 壇上に実行委員である井上さんと竹内が上がり実行委員長から賞状と優勝旗が送られた。

 優勝旗は今学期中クラスに飾られるのだ。

 

「これにて閉会式を終了します。これよりキャンプファイヤーの点火を行います。最後まで楽しんでいってください」

 

 校庭を照らしている照明の明かりが落とされると同時にやぐらに火が灯った。

 俺は柚月と共にキャンプファイヤーが見えるグランド隅にあるベンチに座って火が大きくなっていくのを眺めた。


「文化祭もあっという間だったな」

「なんか一日が長かったね」

「そういえばミスコンでめっちゃ噛んでたな」

「だって自己紹介アピールするなんて直前まで聞かされていなかったんだもん。てっきりステージに出て歩くだけかと思ってて」

「だから出場OK出したのか。でもまぁ無事終わったししかも2位だったから凄いじゃん」

「えへへまぁね。あっ、キャンプファイヤーの炎大きくなってきたよ。近くで見よっ」

「おぉ」


 俺は柚月に手を引かれキャンプファイヤーの前まで歩いて行った。

 炎に照らされた柚月の笑顔はいつもより楽しそうに見えた。

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