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質問:綺麗なものには? 答え:棘がある。

珠生は怒りを溜めて溜めて溜めまくって一気に出す、なかなか怒らないひとです。

でもその分キレたらやばいです笑


「えぇ!!!そぉなの~!!拓海君すぅごぉい~!!!」


私もここまで凄いしゃべり方はしないぞ・・・・たぶん。

処代わって居酒屋で合コン中。だけどなんだかこのありさちゃんは私に対抗意識があるらしく、闘気むき出しで私を貶め邪魔してくる。どんだけ私につっかかってくるんだ。

5人の男どもも、ありさちゃんにデレデレで完全に私のことなんか空気、それどころかあまり良い印象を持ってないようだ。

ありさちゃん以外の3人の女の子はありさちゃんと男の子たちにかなりご立腹だ。


「ねぇ、珠生ちゃんはどぉなの?」


「ん、え?私?そ~だな~。家でまったりゴロゴロダラダラしてるかな~。」


「あ~、それっぽい!おばさんみたいにだらだらしてそう!!珠生ちゃんって着やせするからごまかせていいよね。てか、しゃべり方もなんかそういう性格でてるよねぇ。なんか馬鹿っぽいていうかぁ?私ぃ、珠生ちゃんみたいに家でゴロゴロしてたりしたらさみしくて死んじゃう~!!!」



こいつ早死にしたいのかな?

この馬鹿男たちもどこに笑う要素があったかな?


「あずさちゃん、さっきから思ってたけど失礼だよ。さっきから珠生ばっかりに。珠生はマイペースでまったりするのが好きなんだよ。それに珠生は多趣味だよ。小さいころからお茶とお花やってるし、絵だってできるし音楽だって、ダイビングだってやってるんだよ。今日初めて珠生にあったありさちゃんが珠生のことどうこう言わないでほしい。」


私の代わりにみさきちゃんが怒ってくれた。みさきちゃんは短気で怒りっぽいから、とても優しく言ったと思う。

ありがとう、みさきちゃん。


「やぁだぁ~、みさきちゃん怖い~。ありさ冗談のつもりだったたのにそんなこといわなくてもぉ~。」


「みさきちゃんそう責めるなよ。ありさちゃんも冗談のつもりだったし、珠生ちゃんも怒ってないだろ?」


「そうそう、ありさちゃんはワザとそんなこと言うタイプじゃないよ。」


もう駄目だ。我慢できない。

スカートを掴んだ手に力が入りすぎて白くなる。


「おい、お前らいい加減に・・・」


「たまちゃん昨日ぶりだね。」


この声は!?昨日聞いたエロエロ低音ボイス!!

まさか、まさか!!!


ギギギッと錆びついたロボットのように首を後ろに回す。

もう周りの反応で誰が後ろに立ってるかわかる。


「仁さん・・・・・・昨日ぶりです。なんでここにいるんですか?ってか今日はおねぇさんじゃないんですね。」


昨日見た学生証の写真の超絶美形な青年が後ろに立ってました。















「あぁ、今日は飲み会に誘われてココに来たんだよ。ホラ、あっちの座敷だよ。おにぃさんよりもおねぇさんの方がよかったかな?」


仁さんが指さした方を見るとものすごい顔で睨んでくる10人くらいの女の人たち。その中に男の人も同じくらいいるけど、そのうちの2、3人が女の人と同じ顔で見てくるんですけど。

特にあのマッチョの人マジで怖いわ。


「・・・・・・飲み会で大人気みたいですね。私に迷惑をかけないなら別にどっちでもいいですよ。」


「いや~、友達に好かれてるって嬉しいな。トイレに行こうと思ったらさ、たまちゃんを見つけたからつい声かけちゃったよ。明日会うつもりが今日もあえて嬉しいなぁ。今はおにぃさんでよろしく。」


「珠生ちゃんのお知り合いですかぁ~?」


「ウグッ!!!」


いち早く大河内ショックから抜け出し、私を押しのけてきたのはもちろんありさちゃんだ。

いったい!!痛いって!!!肘でみぞおちグリグリしないで!


「私ぃ、珠生ちゃんのお友達でありさっていいます~。ありさって呼んでください!!あっ!お名前なんて言うんですか?」


ちょっ、ほんと痛いって!!!あんたどんだけ私のこと嫌いなのよ!!

私の上に乗るような形で、仁さんに話しかけるありさちゃんはひじや膝で私をどけようとぐいぐい押してくる。机の上に乗ってる食べ物もありさちゃんのせいで向こうに押されて落ちそうだ。


「ちょっと!!ありさちゃん痛い~!!それに食べ物落ちるぅ!!!」


すると、私のわきの下に何かが入り体がふわりと浮いた。

おぉ~、高い高い。

目の前には超絶美形。目が合ったのでにっこりほほ笑み合う。


「帰ろっか。」


「・・・・・・はぁ?」


「これたまちゃんのカバンと上着だよね。お友達のみんなお先にごめんね。たまちゃんは先に帰るよ。」


「えっ?えぇ~、なんで勝手に~。仁さんのおともだちは~?」


「俺は大丈夫だよ。お~いみんな!!俺もう帰るから!!!お金は今度払うから領収書よろしく!!よいしょっと。」


座敷のメンバーにそれだけ言うと、仁さんは私を小脇に抱えてさっさと出口へと向かう。


「ちょっ、ちょっとぉ!!待って下さい~!!仁さん!!!ってばぁ。」



ありさちゃんの呼びとめた声に、出口へ向かっていた仁さんの足がぴたりと止まる。


「・・・・・・?」


「あっ!止まってくれたぁ!!ありさうれしいなぁ。」


「誰が・・・誰が俺の名前を呼んで良いと許可した?」


美形が怒ったら怖いですね。絶対零度の声と、般若の形相。居酒屋の中が凍りつきました。



「うわっ!!!え、えっとみんなお先に~?私もお金は明日払うよ。バイバイ~!!!は、早く仁さん帰りましょう!!ねっ!!ねっ!!ねっ?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日はたまちゃんに免じてゆるしてあげるよ。・・・・・・・・・・でも次はないからな。覚えとけよ、勘違いのブスが・・・・・・・・・・・・・・・・。」










オオクニヌシノカミ様、美形は遠くで見ているのが一番だと思いませんか?











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