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7.少年編⑦ 副領主コットン・ペーパー

もう少し

シルク編にお付き合い下さい

[別視点コットン]


我は前領主を汚職漬けにし

その証拠を揃えて他の者からメリゴ帝国に

告発させ罷免させる事に成功した


なのに副領主である我ではなく

今の領主がメリゴ帝国から指名され

統治を任される事になった


長い間やってきた苦労が水の泡と化した

この国に尽くして来た我ら貴族でなく

ポッと出の彼奴に領主の座を奪われた


だが我は諦めない

ある日我の大事な宝物が盗まれたと

嘘をついて領主に事の納めを問うた


領主は住民の反感を買うルールを作り

我は裏の部下の賊を使い住民を煽った

思いのほか上手くいき

住民と領主の間に溝ができていく


あとは今後やりたかった我の商売に

適した場所が貧民街にあったので


区画整理を領主に提案して無理やり

呑ませることに成功した

これで我が領主になった時に

我は恨まれず統治できよう


領主の名で貧民街が取り壊されていき

住民との亀裂は深いものになってきた


あとは領主を事故に見せかけて....


もうすぐ領主が社交に出ると知り

賊に連絡を取る


賊達は今では50人くらいに

なっているらしく前領主の時にも

美味い汁を飲ませて飼い慣らしてきた


社交の日程とルートを賊達に知らせ

領主の馬車を襲わせたが失敗した

使えぬ奴らと思いながら我は酒を飲む


すると思いがけない一報がもたらされた

領主の息子が重症なのだと言う

チッ!っと思わず口にした

領主ではないのが残念だ

領主は近衛兵に指示し

貧民街で2人を斬り伏せたらしい


もうすぐ領主が着くというので

ニヤついた顔を崩して

いつものように心配していると思わせねば

我は玄関に急ぎ走った


馬車がもう領主邸に着いており

使用人どもが忙しなく動いている


我は子息が運ばれた部屋に行き

領主に合い何があったのか尋ね

心配のフリをして使用人に指示を

出し領主の目の届く場所で動く


子息は意識が無く

医療院の者どもが治療していた


あらかた峠を越えたのか

領主邸の中は静けさを取り戻す


我は廊下を歩き自室に向かう

途中でふと気になり

表門を見ると女性がオロオロとしていた

変人が居るぞと守衛に言い

その日は自室で眠った


翌朝部下の1人が呼びにきた

どうやら昨日の変人が朝まで居座り

領主にお目通りを求めたらしく

庭にて会う事になった


会議室に入った我は領主から

事の経緯を聞かされた

頭の中では領主が死んでいたら

褒美をあげたいほどの事が起こっていた


領主と一緒に庭に出た

平伏した母親は弁明をしている

我は領主の前で母親を恫喝し

領主側の振る舞いをした


母親が一瞬顔を上げ目が合う

我はどこかで見たことがあるな?

と記憶を辿る


考えていると領主が顔を上げるように

母親に促した

しっかり顔を上げた母親をみて

我は驚愕した


忘れもしない.....親父殿に貴族たる者と

戦場に駆り出された時

この女は我の目の前で沢山の兵士を

殺して廻った

まさに悪魔に見える程の恐怖を感じた


今はあの時の様な畏怖を感じないほど

弱って見えた


母親は領主に偽名を名乗り色々説明して

いるが領主はあのカトカラの悪魔とは

気づいてはいない様子に我は考え

ある結論を出した


この女を殺してコインを奪い

息子も死ねば誰もこのコインの力を

使うことができなくなるかもしれぬと...


しかもゴールドは闇市のオークションで

10億ドノレ位で取り引きを

されていると聞いていた


*ドノレはこの時代の通貨 

 円とほぼ同じ感覚


我は領主邸に戻る際に母親を睨みながら

顔に出さぬよう気をつけていたが

ニヤついてしまう

我は顔に出てしまう...気をつけねば

そして自室に戻り作戦を練った


翌朝あの母親から話しがあると言う事で

我は会議室に出向いた

領主は朝から書類に目を通し

サインしている

「ご苦労な事で」と頭で考えた

ふと領主と目が合い顔に出ていたか

気になった


執事に連れられ会議室に入り

母親が座ると

領主と話し始めた

そして我の言葉に反発したかのように

何を思ったか自分から全てさらけ出した

我は昨日考えていた作戦を台無しに

された事に空いた口が閉まらなかった


領主は微動だにせず聞いていた


我は時間を頂きたいと領主に言い

領主は母親に客間で待つように言った


頭をフル回転して考え

いいシナリオを描いた


このままではコインは領主に渡り

我は何にも得ることが出来ない


賊達の討伐に出して

返り討ちにすればコインは我が手中に

我ながら完璧だ


領主に言葉巧みに提案して

我の案は承認された


後は賊達に伝えて

処理してしまえばいい

我はアジトの賊に事の顛末を書き

必ずコインを手に入れるよう

指示を出す手紙を部下に渡し届けさせた


執事と母親が庭で話している

我は誘導する為に賊達が

アジトにしている場所を示してある

地図を渡した


殺されるとも知らずに

母親は我に感謝を述べている


出立していく母親を領主邸の窓から

見ていた

滑稽だ笑いがとまらない


夜遅くに様子を見させていた

部下が早馬で帰って来た

賊のボスが討たれたらしい


母親は重傷だが命に別状は無いらしく

戻ってくると言う

我は「コインは?」と部下に尋ねた

わかりませぬがと部下は言い

まだ白銀の兵士は母親を逃がす為

戦っているとの事


部下は母親に気付かれない様に

他の道から先回りして帰ってきたらしく

もうすぐ母親が到着すると言う


どいつもこいつも使えぬ...

我は寝てなどいられぬと

壁に掛かっていたボウガンと

釣りに使う透明な紐を手にして

領主邸の隠し通路から外に出た


裏門の門番に気づかれないよう

静かに林の中を移動した


母親が通るであろう道に

何ヶ所か透明な紐を罠として

仕掛けて林の木の陰に隠れた

落馬させて殺す為だ


遠くから蹄の音が近づいてくる

我は息を呑み息を殺した


近付いて来た馬は速い速度で

罠に引っかかり転倒した

母親は投げ出され木にぶつかった


「やったか」と我は息を呑み様子を伺う


しかし母親は立ち上がり馬を撫でている


「クソッ」思わず声に出てしまうが

母親はきづいてはいなかった


母親はゆっくりと歩き出す

我はそれに合わせてゆっくり後を追う


ボウガンを構え母親の頭に

狙いを定めた

指に力を入れる瞬間...

我に迫り白銀の兵士が斬りつけてきた

我は思わず狙いがズレたまま

指を引き...矢が放たれた


空気を切り裂く音がして

白銀の兵士は母親に近づいて行く


我は二の腕を少し斬られた事に

動揺して倒れたがまた斬られまいと

隠し通路に逃げ帰った


展開がおかしな所あれば

教えて貰えるとありがたいです。

次は領主様視点です。

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