お楽しみは...?
"PDCAサイクル"2周目のD、つまり、本日2回目の授業というわけです。
因みにPlanはこんな感じ。
i ) お楽しみサイン交換
ii ) 詩を読む
iii ) 文字の勉強
iv ) 休憩
v ) 数字の書き方
vi ) 数字の仕組み
前回同様、真ん中に休憩を挟むつもりだ。
一番最初は前回予告しておいたイベント、内容はサイン交換会だ。よく、学年の終わりなどにハチマキなどに、クラスの人にお願いして回って名前を書いていたっけ?もっと昔はアドレス帳やプロフなんかもあったそうだし、その時期もきっとサイン交換はしていたんだろうと思うよ。インスタアカウント交換しておしまい、が若者だからね。因みに、これは完全なる偏見だから。私、やってなかったし、友達いなかったし?ゴホンゴホン、失礼、いましたよ?友達。そう、友達はいた。そういうことにしておいてください。
進めるのが速いという反省点もあるから、今回は詩も一度一通り読んでから、最初の何行かについてを話していこうと思う。もしくは、最初の何行かも要らず、ただ、読んでみるだけにして、最初の何行かは、ここを読んでいるんだよって言いながら音読みたいにしようかな、と思っている。ノエルには皆が読むときに合わせて声に出してもらうよう、お願いしている。ノエルは、賢いから、もう私となんなく話せるんだよな。頼んだらその通りにしてくれるし、1歳ってこういうものかしら?それとも、下の子は上の子にくっついてるから成長が早いってやつかな。
文字は3文字くらいだと思うけど、時間を見ながら。あまり長い時間拘束しちゃうと集中切れちゃうもんね。
休憩したあとは、数字の書き方をゆっくりとやって、数字の仕組みは位の概念についてだ。なんで7(**)の次が11(**)なのかってのも、位を動かせば分かってもらえるだろう、というか、ここを理解してもらわないと、後々困る。これは、当時もわかる人とそうでない人がいたからな。教え合いが最も効果的だから、その概念も説明しておこう。
~第2回 休息日の授業~
私は件の部屋にいる。今日は隣にノエルが立っている、じゃなくて、浮いている。
どうやらノエルは浮いているのが好きなようで、ゴロゴロしていない時は基本浮いている。私としては脚の筋肉が心配だからできれば立って歩いて欲しいけれど。
今日も今日とて、前には使用人が顔を揃えている。最前列には笑顔の両親がいる。
これで緊張しないわけがないであろう。
そんなこんなで授業の時間になってしまった。
カメラの電源が入れられ、放送が始まった。
<お楽しみサイン交換>
こんにちは、セシルです。隣は弟のノエル、先日は紹介できなくてすみませんでした。
今回から助手みたいな感じで、皆さんの代わりに質問をぶつけてもらおうと思います。
そうそう、最初にやろうと思っていたことの前に、これを紹介したいと思います。
(1枚の紙をカメラに向けてひらひらさせる。)
エマール伯爵家の屋敷のもの、エマという子からのものです。
この紙に書いてあることを読み上げます。
「こんにちは。今回は、奥さま、クラリス様に質問があってお手紙を書きました。先日の放送ではパトリスさまのペンの持ち方が紹介されていましたが、クラリス様はどのようにペンを持ちますか?」
まずはお手紙ありがとうございます。
この質問の答えについて、お母さま、クラリスさまにお願いして、今、ここでペンの持ち方を見せてもらえることになりました。
(お母さまがカメラの視界に入る)
お母さま : こんにちは。クラリスです。質問にあった、ペンの持ち方ですが、私はこんなふうに持っていますよ。見えますか?パトリスとはまた違いますけど、これは、クラリス式になるのですかね?私も最近は休息日を楽しみにしているの。皆も楽しみましょうね。
お母さま、ありがとうございました。
こんな風に、手紙で質問を書いて、定期的な視察のときに、屋敷の者に渡してもらえれば、このように、放送で私が読み上げます。こんなふうに、質問に答えてもらえます。
ぜひ、文字が書けるようになったら挑戦してくださいね。
お手紙待ってます!!
では、本題に入りましょう。
本日、最初に行うのは"お楽しみサイン交換"です。
内容は、その名の通り、サインを交換します。
ノエル : "サイン" ってなに?
はい、サインとは自分の名前を書いたものを言います。
人それぞれ、文字を書くと形が異なるものです。
自分が見たことを証明するために書いたりします。
ポイントは自分の名前を自分でちゃんと書くことです。
自分で書くってことがポイントです。
今日は、せっかく書けるようになった名前を何回も書いてもらおうと思います。
ノートの表紙をめくった内側、ここですね。
誰でもいいので、話しかけて、サインをしてもらいます。
ちょっとわかりにくいと思うので私とノエルでやってみますね。
見ててください。
ノエル、私のノートにサインちょうだい?
ノエル : いいよ、でも、おねちゃんのサインもちょうだい?
こうやって、互いのノートを交換して、相手のノートに自分の名前を書きます。
ノエル : はい、かけたよ。
私も書けた。
書けたら、このように相手にノートを返します。
これを色々な人と行って、たくさんのサインを集めてください。
知っている人でもいいですし、知らない人とでもいいです。
何人集められるでしょうか??
席もたっていいので、歩き回って、色んな人からサインをもらってください。
そうですね、時間は22(**)分ほどにしましょう、次、私が放送を繋げるまでにしましょう。
では、一旦、御機嫌よう。
みんなのノートにたくさんの名前が書かれることを祈っています。
<お楽しみサイン交換・終>
放送が一時中断した。
さて、どうするか。
とか、考えていたら、目の前の人たちが立って、サインを求めて歩き出した。
「セシル、ノエル、"お母さま"にもサインをちょうだい?あ、"お父さま"にはあげなくてもいいのよ?」
お母さまはいつも自分のことを"お母さま"なんて言わないのに。そして笑顔が黒い。
「そんな!!私にもサインをもらえないか?」
お父さまは、必死だ。そんなにサインが欲しいのだろうか。
別にサインがないからってどうってことないよ?
「いいよー!!」
ノエルは元気に両親のノートにサインを書いている。
まぁ、私も書くんだけどね。
ノエルの字は元気で、力強い。
頑張らないと読めないけれど、それがまた尊いのがこのお年頃なんだよなぁ。
私とノエルからのサインを受け取った両親は、更なるサインを求めて、使用人たちの渦に乗り込んでいった。
そして、お父さまとお母さまがいなくなったからか、渦の三分の一くらいがこちらに流れてきて、私とノエルはサインをしまくり、表紙の裏はサインで埋まった。苦しいので裏表紙の裏をサインスペースに使ったら、皆の目が光った。裏表紙の裏を使うという発想はなかったようで、もっとサインを集めるという熱気で部屋の温度が何度か上がった気がする。
お父さまとお母さまもサインに追われる中、私とノエルもサインをそりゃしまくり、時間を少しオーバーしてしまった。
まだサインできていない人は、この後の休憩や授業後に引き受けるから、授業を再開させてくれと、なんとか納めて、授業を再開させることになった。
教会にはもっと人がいるはずなんだが、この熱気がここだけのものであって欲しい。
そりゃ、楽しんでもらいたいよ?
でも、ここまで収集がつかない状況を想像したくないだけだ。
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