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ノエルの突発数学授業

 「姉さん、どうしたらいいの?」


 「隠すことでもないんだし、教えればいいんじゃないの?ただ、その話に辿り着くまでにどれだけかかるか知らないけど。」


 ということで、私たちは場所を変更した。

 

 その場所とは、授業を配信する部屋である。


 部屋を選んだ理由は誰も使わなそうだから、そして、黒板があるからだ。


 「…どうしたらいいの?」


 嬉々として席についているブルナンどのにかける言葉が見つからない。

 目を爛々と輝かせているのも怖い。


 「ノエルが教えたらいいんじゃないの?だって、下手に私が説明するより、分かりやすいじゃない?」


 「僕が?姉さんじゃなくて?」


 「うん、時間があるなら、私はもう少し検証したい。というか、立体で式を立てたい。」


 「分かった。そっちは任せるから、こっちは僕が教える。面倒だから十進数で教えよう。」


 「それがいいね。というか、ノエルはどっちが計算楽なの?」


 「算盤使うなら10進数、暗算ならいつもの数字。」


 「なるほど。」


 算盤によってノエルにとって10進数は扱いやすい数字へと変化した。

 そして、私が説明しにくいものも、10進数で理解した。

 10進数なしではこの先の数学に挑めないのでは?と思い始めているこの頃である。


 「じゃあ、説明します。ブルナンどの、よろしいですか。」


 「あぁ。問題ないぜ。」


 さて、私は検証をしようか。


 まずは Grid Guide


 おっ!

 理解していれば、口に出さなくてもできるじゃないか。


 さて、固定は…Fixed


 うん、自分が動いても座標たちは動いていない。


 さて、あとは、Share…だめか。

 具体性が足りないかな。


 あの三人を選んで線のみを共有するには…指定する、かな。


 あ、無理だ。

 単語が浮かばない。

 日本語でもいけそうな気がするけど、なんかしっくりこない。


 『瑞稀、指定するって英語でなんて言うかわかる?』


 本日、私の腕に巻きついておやすみ中の瑞稀です。

 契約の関係で黙って意思疎通ができると教えてもらったアレで話しかけた。


 『急に起こされて驚いたわ。指定するは specify じゃ。しっかり覚えよ。で、お主は何をしておるのじゃ。』


 『魔法の練習中。丁度いいから瑞稀も手伝ってね。』


 specify 瑞稀とノエルとレオンさんとブルナンどの。


 …失敗か。


 レーダー上とか、もっとデータ化されてればいいのかな。

 処理が足りないとか?


 なら、rader


 お、成功かも。

 右上に円が現れて、私を中心にレーダーが展開されている。

 魔力を当てて跳ね返りでとかかな?コウモリの超音波で視界を確保するやつ。


 で、上には私以外の点が5人くらい?多くない?

 障害物は表示されず、GPS同様、上下は加味されないかな。

 生物で感知しているのか?


 まぁ、いい。

 わかったことはノートにまとめて疑問点とともに振り返ろう。


 今は、おそらく指定したい人たちは…specify


 うん、指定できた。

 その人たちだけ色が変わったよ。


 そして、Grid Guide を Share


 「わっ」

 「なに?」

 「は?」


 『セシルか?これか?試したいことは。』


 その様子だと成功みたいだね。

 よし、次の実験だ。


 次は、障害物を探知したいな。

 なんとなくだけど、3D modeling …できたわ。

 モノたちが分かりやすくなった。


 で、あとは、点と点を指定して、点Pもとい、水の玉を動かせるか、かな?


 部屋を歩き回りながら、座標を調べていく。


 点は(x, y, z)で指定できるはずだから、その3つを調べると。


 これ、何もわからない人からしたら、不審者だよな。

 VRゴーグルつけた変な人みたいになってそう。

 メタバースとか、側から見たら変なんだよ。そう、中にいない人から見たら。


 二つの点を指定して、最短距離で移動。


 うん、できるね。


 なら次は、3つの点を指定して、それぞれの点から点へは最短距離で移動。最後に止まる。


 可能か。


 そうすると、漫画のあれができるってことだ。曲がる弾、リアルタイムで弾道を引いて戦うとか、神業だって思うよ。

 でも、可能かもしれない、と。

 面白いな、練習しよう。

 厨二病の再来かもしれない、でも気にしない。

 弾バカになっても気にしない。

 鳥籠とかやりたいもん。

 避けて攻撃してから、残りの弾で他の人を攻撃とかも最高だ。


 つまり、自由度が高いと。


 まぁ、常人ならいくつか弾道を設定しておくらしいし、なら、関数という形で事前に魔法として完成させておけばいいのかもしれない。詠唱が長いのも、これでいくらか解決だ。


 え、あとは…


 『む?これは…マズイ。セシルっ!!』


 瑞稀の忠告する声が聞こえた。


 そこで私の意識はブラックアウトした。



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スピンオフ短篇の紹介

「ラッキー7の世界で」スピンオフ短篇

作品紹介


完結済

すべてはあの桜花のせい

悠という少年の巣立ちの物語。推理SF小説。

連載中

魔女の弟子と劣等学級 -I組生徒の過ごし方-

魔女の弟子が初めて街に降りて人と関わる学園もの。

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