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彼等が私にくれたものぉ♪

 「テープ・羽付きは基本として、昼用? 夜用? 何かの時の為に、長時間タイプにしておくべきだよね?」


 トイレ横に有る、備え付けの棚の中を見ながらどれを使うか検討中。

 テンションダウンの原因は、どうやらアレの予兆だった様です。前回は犯罪者を輸送する馬車の中でした。つまり、もう少しで一ヶ月。


「トイレットペーパーに生理用品。やっぱりソレイユ神様は女性なのかしら? 個人的には、マジ有り難いけど……」


 実は、こちらに来る直前の事はよく覚えてはいないんだよね。色々とソレイユ神様とお話しをした事は覚えていますが、会話じゃなくて『お話』。

 自分が自分なのか判らない、あやふやな時のお話し。でも、なんとなく女性のイメージが私の中にあるんだよねぇ。

 れはかく。乙女ゲームの舞台に使われるくらいですから、此方こちらの世界にもトイレ用紙や、ティッシュの代わりに使われる鼻紙はながみもキチンと有ります。そしてアレの時用のヤツも。


「でもなぁ。こっちのヤツはテープ付きじゃ無いんだよね。作り方は伯爵夫人に教わったし、必要な材料の種と機材も戴いたから、暇が有れば此方のヤツを改良して、テープ付きにしてみても良いかなぁ?」


 伯爵夫人が山の様にアレを手作りして、私に持たせてくれたくれました。今もマイボックスに大量に入っています。現在も応急措置として使わせて戴いてます……がッ! こっちのはテープ無しなのです。

 下着に付けるタイプじゃない。という事は? はい。直接着けていますよ。つまり挟んでいます。何処に? とは、聞くなよ。


「此方のヤツは、違和感が半端ない。伯爵夫人には申し訳ないけど、館に常備されている日本製の物を使わせて戴いきます。ごめんなさい」


 トイレの中で伯爵夫人に謝りながら、洗った手をタオルで拭いて、廊下に出ると……何やらあった様子?




「リア様~ッ! まだトイレに居たんですか? ……もしかして、大きい方ですか?」

「ちゃうわいッ! それよりどうしたの? そんなに慌てて」


 バタバタと走りながら近寄って来たシアンに、軽く突っ込みを入れてから問い掛ける私。

 そんなに慌てなくても、ちゃんとお散歩には付き合いますよ?


「あっ、そうでした。セバスさんが呼んでいるんです。一緒に玄関まで来てもらえますか?」


 セバスが? 何だろう? 玄関だからお小言こごとじゃ無いよね。

 そんな事を考えながら、シアンに続いて玄関に行くと、セバスが思い悩んだ様な顔をしていました。

 あら、珍しい。いぶし銀しゅうただようダンディなおじ様セバス。どうしてこの世界にはカメラが無いのかしら?


「お嬢様。お手数をおかけしてすみません。お客様方が御見おみえになられました」

「お客様?」


 何を困惑しているのか判らないけど、他の人間はこの島に居ないから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。






 と、思っていた私が浅はかでした。

 玄関の扉を開けた途端、目に入って来たのは、1メートルくらいの高さのところで土下座をしている精霊さん達。

 お客様ですね。人間では有りませんでしたが、この状態を見たらセバスが困惑するのも解ります。土下座が浮いているんだもんね。


「「「「島主様。本当に申し訳ございませんでしたッ!」」」」


 よくよく見ると、土・水・緑の精霊達の他にも、土・水・緑・風の妖精達。半精霊達や進化妖精達も居ますね。

 そして気になるのが、門扉のところで震えているノーム達。ただでさえ毎日、地中に引き込もり状態で白い肌なのに、今日は青ざめた色合いになっています。しかも、泣きそう。


「えっと……何かあったの?」

「……大空洞だいくうどうです」

「はい?」

 

 何を言っているのか分かりません。誰か解る様に説明してよぅ~ッ!


「我々の管理不行き届きにより、ノーム達が島の下に大空洞を作ってしまいました。御許し下さいッ!」

「「この件に関しては、我々水や緑の半精霊達や進化妖精達の暴走も、原因の一つで御座います。我々も罰を受けますので、どうか、どうか土精霊達に温情を……」」

「水ぅ。緑ぃ。有り難う、庇ってくれて。でも、これは私達土属性の失敗だから。貴方達が罰を受ける意味は無いのよ」

 

 うん。君達仲が良いね。誰か台本でも渡したの? 特に水と緑の精霊達は、プロの声優さんの様な見事なハモり方でしたよ。

 あ~あ。ノーム達が泣き始めたよ。罪悪感をガシガシとつついたよね。


「取り敢えず、罰は後で決めるとして。どのくらいの大きさの穴なの?」

「ここら辺を含め、ざっくりと見ても、地図上面積はこの島の半分くらい。海底の下にも作っておりました。深さは有りますので、すぐに陥没かんぼつして島が落ちるという事は有りえません。ですが立体的に造られていますので、実際にどれくらいの空間になっているのかは……未だに不明です」

「すみません。我々は時空属性の者達と違い、空間認識力が少々おとっておりますので……」


 マジか? ノーム達、ハイスペックにも程があるだろう?


「うわ~ん。ごめんなさい、島主様ぁ! オイラ達もっとキラキラ石を渡したかったからぁ」「よろごんでぐれるど、おぼってぇ(喜んでくれると思って)」「秘密にして、驚かせたかったんですぅ」「びえぇぇぇッ!」

「ああッ! 泣かないで~ッ!」


 私が単純に驚いていたのを、怒ったと勘違いしたのか、ノーム達が一斉に泣き始めました。

 慌てて近寄って、何人かのコ達を抱き締めてあやす私。でも、ちっちゃい子達が泣いていると心配しちゃうよね?


「怒ってないから。泣き止んで。私の為だったんだよね? よしよし。そっちのコは鼻をかんでね。シアン、ティッ……鼻紙を頂戴」

「はい。リア様。すぐに持って参ります」


 しかし、よくもまぁ、掘ったよね。この島の半分という事は、地図上で言うなら約一万平方キロメートルって事でしょう? しかも立体になっているという話。

 うん。想像出来ない。

 確か、高校の時に地理の先生が、東北地方の面積は約六万六千平方キロメートルと言っていたのは覚えています。比較対象として、東京都は約二千平方キロメートルだとか。


「リア様。鼻紙を持って来ました」

「有り難う。はい。ちーんしましょうね。怒ってないですよぉ」


 シアンがノーム達に鼻紙を配り、私が頭を撫でまくる。何でこうなったのかしら?

 だけど同時に、私の中でドキドキ感が増えて来ています。

 これってアレだよね? 確認せねば。


「精霊ちゃん。立体的って事は、大空洞は蟻の巣構造っていう事だよね?」

「はい。規模や大きさは違いますが……ところで何故、島主様は喜んでおられるのでしょうか?」


 ヤバッ! 顔に出てた? でもねぇ、仕方ないよねぇ?

 せっかくの異世界。しかも、今のところ安全保障付き。そんなダンジョンが近場に有ったら、ニヤニヤが止まりませんよ。


「セバス! シアン! せっかくノーム達が、ダンジョンっぽいのを作ってくれたから見に行きたい!」

「「「「ええぇッ!?」」」」

「言うと思いました。さっそく準備に掛かりますか? リア様」


 私の発言に驚く精霊達。冷静なシアンの発言にも吃驚びっくりしています。セバスに助けを求めても無駄だよ。

 セバスとシアンは、暇を見付けては私の書斎にて、情報収集及び私の思考を理解する為にと、ラノベとかも読んでいるんだよ。

 つまり、ダンジョンマスター物とかも読んでいるのです。しかも、内政絡みの物や生産系のダンジョン運営物も近年増えて来ている。となれば……ねぇ?


「島主様は本当に怒っていないの? オイラ達を消さない?」

「勿論だよ。それどころか、私を招待して欲しいな」

「分かったぁ。準備するね」「壁をもっと強くするよ!」「島主様に危険が無いようにしなきゃ」「暗いよ。中の道は暗いよ! お部屋もまだ暗い所があるよ」

「「「………………」」」


 諦めろ精霊達。私の欲望は止まらない。





「じゃあ、準備を始めるから、また後でね」


 セバスとシアンを引き連れて、館の中に戻る私の足取りは、喜びでスキップになっていました。



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