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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ひとりきり

そんなに長い間、あの家に居た気はしなかった。だが、いつの間にか外は真っ暗になり、車も人も通ってはいない。誰かに電話をしようかとも思ったが、この時間。すでに深夜も2時にもなる時間帯に、掛ける勇気はなかった。


駅前まで行けばタクシーでも拾えるんじゃないかと思い、街灯の下まで行き財布の中身を確かめようと、ポケットに手を突っ込んだ。


「あれ?…え?」


左右のポケットに手を入れ、尻ポケットにも手を入れてみたが、財布がない。試しにポケットを上から叩いてみたが、それで出てくる物でもない。


念のために鞄の中も見たが、やはりない。押し倒された時にでも落としたのだろうか。


流石に、一人であの家に戻り財布を探したくはない。ましてや、こんな深夜に戻りたくはない。


充電の残り少ない携帯を見つめ、誰に電話をしようかと悩んだ。むつも颯介も山上も電話すれば、迎えに来てくれそうな気もするが、気が引けた。


電話帳を眺めているうちに、ふと西原の事を思い出した。失礼なのは重々分かっていたが、他に近くで助けてくれそうな人はいない。


祐斗は悩んだ末に、西原の番号を押した。出なかったら、諦めて駅かどっかで朝になるのを待とうと思った。



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