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ゆめのうち
ふかっとした布団に横になった颯介は、仰向けになって天井を見上げていた。視界がぐらぐらと揺れているような気がして、気持ち悪い。
そんなに量を呑んだわけではないが、やはり寝不足のせいなのか酔うのも早かった。吐き気が襲ってこないだけましと思い、颯介は目を閉じた。
いつの間にか眠っていたのか、リビングの方からぼそぼそと話し声が聞こえてきた。だが、颯介は目を開けるのが億劫だった。それに、身体も動かない。呑みすぎてるせいだと思い、颯介はそのまま再び眠りに落ちていった。
颯介が、規則正しい寝息をたて始めた頃、そぅっとドアが開いてむつと祐斗が顔を見せた。2人は颯介が眠っているのを確認すると、顔を見合わせて頷き合って静かにドアを閉めた。




