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ゆめのうち
「むつが原因じゃないなら何だ?悩みか?残念だけど、給料アップはちと厳しいぞ。ボーナスは出せるけど」
山上が、からからと笑うと颯介も笑みを浮かべて、そんな悩みはないと首を横に振った。
「悩みじゃないなら…何だ?何か憑いてるとか?」
「むっちゃんと祐斗君は、特に何もないって言ってましたし…それは無いんじゃないかと」
「ふーん?なら、今夜呑みに行くか?しこたま呑んだら寝れるんじゃないか?」
颯介もそれは考えないでもなかったが、昨日は身体を動かしたうえに寝不足となると、呑んでも気分が悪くなりそうなだけだと思った。
「顔色悪い人を呑みに誘ったらダメでしょ?余計に体調崩すかもしれないし」
ようやく倉庫から出てきたむつは、何をしていたのか髪の毛に埃をつけていた。
「そうか?で、お前何してたんだ?」
髪の毛についた埃を山上が、慎重につまみ上げて取っている。
「探し物」




