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ゆめのうち
道場内は、しんと静まり返っていた。だが、むつは気にする様子もなく防具の横に竹刀を置くと、すたすたとこっちにやって来た。
その顔は無表情だったが、だんだんと緩まり、にやっとした笑いになった。
「ねぇー見た?勝ったよ」
鼻の頭にシワを寄せて笑いながら、むつは颯介の隣に立った。
「むっちゃんあれはやり過ぎって言うんじゃないの?」
「そ?喧嘩吹っ掛けてきたのあれよ」
顎をしゃくって、いまだに起きない高橋をむつはじろっと見た。明らかに軽蔑するような目だった。
「まったくもう…あれ、何で竹刀弾き飛ばせたの?」
颯介は気になっていた事を聞いた。
「説明は難しいかな…んー実演する?」
「俺、何となく分かったぞ。あれ、受け止めて軽く叩いたろ?んで、柄のぎりぎりの所を打つように振り上げたな?」
「あ、そんな感じ。そういう事」
西原が変わりに説明をすると、むつはにこっと笑って颯介の方を見た。
「うーん…力任せな相手だから出来たのかなって事くらいにし分からない」
「そうそう、そーゆー事よ」
むつは、ぽんぽんっと颯介の腕を叩いた。




