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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ゆめのうち

颯介が男に聞くと、男は首を傾げた。初対面で、誰か分からないといった様子だったからか、西原がむつの同僚だと説明した。すると男は、頭を下げると平野と名乗った。颯介も挨拶を返した。


「で、どうしたんですか?あれって」


「あれな…むつちゃんのライバル?」


「いや、だだのいちゃもんでしょ」


西原が苦笑いを浮かべていた。むつに竹刀を向けていた男は、竹刀を持ち上げると西原の方をさしていた。むつは、竹刀の動くのを気にもしていないようだ。


「西原さんの知り合いですか?」


西原が答えないでいると、平野が笑った。


「あいつ、高橋って言うんだけどな。むつちゃんに告白してフラれてんだよ。理由がさ、自分より弱い男は嫌だって…ま、そん時にはむつちゃんも彼氏居たもんなぁ。いがぐり頭の眼鏡のやつな」


平野の話を聞いて、颯介は何となく分かったのか西原の方を見た。西原は知らん顔している。


「弱い男って…むっちゃんも酷い事を言ったもんですね」


「事実だけどな。あいつ、むつちゃんと試合して勝てた事なかったしな」


それを聞いて、なら西原はむつよりも強いのかな、とふと思った。

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