260/1310
ゆめのうち
むつと西原が普通に話してるのを見ながら、颯介と祐斗はその後ろを歩いていた。
「仲良しだよね」
「あの2人っすか?寄り戻したら良いのにって思うんすけどね」
祐斗が言うと、颯介も頷いた。
「それで湯野さんはどうなんすか?」
「どうって?」
颯介は祐斗の顔を見て、きょとんとして瞬きを繰り返していた。祐斗はそんな颯介を見て、大柄だし先輩だし歳上だけど可愛らしい仕草をするよな、と思っていた。
「彼女とか好きな人とか…前に、むつさんに名前で呼んでって言ったりしてましたけど、もしかして…ですか?」
にんまりと祐斗が笑うと、颯介はゆるゆると首を振って否定をした。
「好きは好きでも、女の子としてじゃないよ。同僚、仲間としてだよ。祐斗君はどうなの?あの大学の女の子とは」
「寺井っすか?好きとかじゃないんで、特に何もないですよ」
「あら、そーなの?」
いつの間にか立ち止まっていたむつが、つまらなさそうな顔をしていた。西原は何の事か分からないらしく、むつがざっくりと説明をしていた。
「そうか。それで湯野さんは?」
西原が祐斗と同じ事を聞くと、颯介は苦笑いを浮かべて首を横に振った。




