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ゆめのうち
「だから、むつが夢に?だとしたら、心配し過ぎてるんじゃないですか?」
「可能性はあるかな…?」
「俺とか社長は出てこないんすか?」
「出てくる出てくる。けど、祐斗君の出てくる夢はそんなに悪夢じゃないんだよね、遅刻だよとかって言われて慌てて起きたら、真夜中だったりとかで」
颯介がくすくすと笑うと、祐斗はすみませんと何故か謝った。ただてさえ、寝不足な颯介の睡眠の邪魔をしているのが、悪く思えたのだろう。
3人が、そんな話をしているとドアがノックされた。顔だけを出したむつが、終わったと告げた。
マグカップを片付けて、戸締まりをすると4人は揃ってよろず屋を後にした。
「先ずは…誰の家からだ?」
「むつさん、じゃないっすか?」
「だな」
祐斗と西原は駅の方ではなく、駐車場の方に向かって歩き出した。
「車なの?」
「そうだよ。じゃなきゃ迎えになんて来ない」
「へぇー買ったんだ?知らなかった」




