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よっつのこわい
冬四郎は踵に体重をかけて、雷獣をぐるぐると回し始めた。勢いがついてきた所で、雲からの稲妻が発生するタイミングを待った。
雲が、かっと光ったと同時に冬四郎は空に向かって布を放した。それと同時に2枚の紙で出来た鳥が、雷獣を追うように飛んだ。むつが投げたのだ。
冬四郎の投げが良かったのか、しっかり上に向かっていく。そして、それを手助けするように鳥の形をした式神が、雷獣の尻を押すようにして、ぐいぐいと空に押し上げていく。
「行けるかな?」
「行けなかったら拾いに走らなきゃならないわよ。…大丈夫、帰れるよ」
ぐんぐんと登っていく雷獣の顔はすでに見えない。かろうじて、白い鳥の式神が居場所を標している程度だ。
「またねーっ‼」
むつは、ぶんぶんと手を振っている。
雲がかっと光り稲妻が、雷獣に直撃したように見えた。いつくかの稲妻が同時に発生すると、雷獣を包むように柔らかい円みをおびた。
「拾われたみたいだな」
円みをおびた稲妻が消えると、ぴたっと雷は鳴らなくなった。何度が雲の中で光っただけで、音もなく静かになった。降りだしていた雨も、ぴたっと止んだ。どうやら、雷獣は無事に雲の上に戻れたようだ。
「帰っちゃったね」
「俺らも帰るぞ」
「うん、眠いし寒いね」




