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よっつのこわい
明きからに、最初に見付けた時よりも稲妻は小さい。ばちばちと音はさせているが、あれではとうてい仲間には気付いて貰えないだろう。
冬四郎はむつの方を見た。むつも困っているのか、雷獣の弱々しい稲妻を見てながら、くしゃみをしている。そして、寒いのか腕をさすっていた。
携帯もないうえに、空はいつまでも暗い雲におおわれていて、時間の感覚が全く分からない。だが、外に出てきてだいぶ経っているだろう。両親が起きる前に、むつを家に帰らせなくてはと冬四郎は少し焦りを感じていた。
雷獣とむつを交互に見て、悩んだ末に冬四郎はずかすがと雷獣に近寄った。むつは冬四郎が何をするつもりなのかと、首を傾げて見ていた。
近付いてきた冬四郎に雷獣も気付き、振り返った。
「悪く思うなよ?」
そう言うと冬四郎は、雷獣の尻尾をぎゅっと掴み引っ張った。ぎゃんっと鳴いた雷獣は、毛を逆立て歯を剥き出して唸り声をあげている。




