210/1310
よっつのこわい
「変って?」
「この辺にだけ、あぁも稲妻が留まる事ってないだろ?雲は流されていくもんなんだからな」
「この子が戻ってくるのを待っててくれてる、って事かな?君はどうやったら戻れるの?」
むつは雷雨を顔の前に持ち上げて、雷獣に聞いているが、何かを言ってくれるわけではない。
答えてくれるのを期待してたのか、少しがっかりしたようなむつは、雷獣を抱きながら、じっと空を見上げていた。
雷雨も空が気になって仕方ないのか、むつと同じように空を見上げている。その様子を見ていると、冬四郎も早く雷獣を空に戻してやりたいと思えてくる。
「あの雷…変だね」
「だから、さっき言ったろ?」
「そうじゃなくて。稲妻ってあんなに常に地上に向かって真っ直ぐ向かわないよね?」
むつの指摘を受け、冬四郎は稲妻が走るのを見ていた。あっちこっちで、稲妻が走ったが、どれも地上に向かって真っ直ぐに伸びている。
「って事は、どういう事だ?」
「探してるんじゃないかな、この子を」
雷獣は前足を空に向かって動かしている。早く帰りたくて仕方ないようだ。
「もっと下まで伸びたら、拾ってもらえるのかも」
「下まで伸びたら、落雷になるだけだろ?また雷獣が増えるんじゃないか?」
「たぶんね」




