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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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よっつのこわい

「どうやって戻すんだ?」


「空まで投げるのは無理。あたしもしろーちゃんもお空は飛べなーい…さて、困りましたね」


歌うように、ふしをつけてむつが言った。ようするに、方法は思い付かないという事だ。


「暢気だな」


冬四郎は本を閉じて、棚に戻そうとした。だが、何故かむつはそのまま置いておくように、と言った。


「とりあえず、外に出てみようか。雷が鳴ってる間なら何とかなるんじゃないかな?」


外に出るとさっきよりも空気が冷たい。雨で気温がさがったようだ。むつは、再びくしゃみをした。


むつは鼻をぐずぐすさせている。冬四郎はそんな、むつをじっと見て本当に風邪をひいたのかもしれない、と思った。


何とかして早く家に帰った休ませないと、と思うものの、むつが雷雨をほったらかして大人しく帰るとは思えない。何か良い案はないかと考えたが、何も思い付かない。


「あら…稲妻だけ?音がしないって事は雷雲は遠ざかっちゃったのかな?」


「いや、雷雲はあるだろ。まだ雨も降ってるしな。ただ、なんつーか変だな」


「はっ、くしゅっ‼あーっ」


雷雨をぎゅっと抱き締めて、むつは鼻をすすっている。本当に早く暖かい家に帰らなくては、いけないようだ。

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