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よっつのこわい
「ふっ、くしゅっ」
むつがくしゃみをした。風呂上がりで髪の毛も完全に乾いてないうえに、雨に濡れて冷えたのだろう。鼻をすすりながら、和本をぱらぱらとめくっている。
「何してるんだ?」
「この子が何か調べてる」
「図鑑でもあるのか?」
「ま、そんなもの」
顔もあげずに冬四郎と会話をしつつ、足の間で丸くなっている動物を撫でながら、ページをめくっている。
冬四郎は溜め息をついた。
何を聞いても今のむつは、大して答えてはくれないだろう。すでに、目の前の動物の事を知ろうという好奇心で、いっぱいになっているのがよく分かる。
そんなむつを冬四郎は、心配そうに見ていた。妖絡みの仕事をしているとは言えど、こうまでのめり込んでいく姿は、不安さえ感じるものがある。ましてや、京井やこさめを同じ人として接しているのも、冬四郎からしたら気になる所だった。
妹であるむつが、何かに一生懸命になっているのは、事件が起きればそれにばっかりのめり込むのと同じかもしれないと思った。だが、妖という人とは異なるモノとの距離が近く、恐れないというのは、とうてい理解出来ない。理解出来ないし、心配と不安の材料だった。




