表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
202/1310

よっつのこわい

むつは稲妻をぱちぱちさせているそれを、冬四郎にも見えるようにした。


「動物だな…ハクビシンか?」


「普通の動物じゃないでしょ?見てよ」


ぱりぱりと稲妻を放っている動物をむつは、そっと持ち上げた。冬四郎にはちょうど、腹を見せるかっこうになった。


「後ろ足が4本に尻尾が2本か。かなり普通じゃないな…突然変異にしてもこの…いって」


動物の後ろ足に触れようとすると、ばちっと稲妻が冬四郎の手の甲に当たった。


「お前よく平気だな」


「うん。何かあたしは痛くないよ。おじちゃん嫌よねぇびびりだから」


むつは、動物の鼻と自分の鼻をくっつけるようにして顔の前まで持ち上げて、話し掛けている。


「悪かったな。びびりで…で、どうするんだ?」


動物はむつの腕の中から空を見上げている。真ん丸のつぶらな瞳は、悲しそうに見えた。


「ちょっと調べてくるよ。傘貸して。しろーちゃん帰っていいよ」


「は?どこで調べるんだよ」


「うちで」


「うち?」


「そう。あたしのうちで」


冬四郎は、意味が分からず瞬きを繰り返すばかりだった。


「だーかーらー、あたしの実家。あ・た・し・の」


むつは、自分の実家だという事を強調して言った。冬四郎は言ってる意味が分かったのか、少し険しい顔をした。


「場所知ってるのか?」


「前に、お父さんが連れてってくれた」


「なら、尚更。俺も行く」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ