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よっつのこわい
自分の部屋だと言うのに落ち着かない冬四郎は、寝室にしている自室の方を気にしていた。
そこでは、むつが洗濯物を干している。ぱんっぱんっとシワを伸ばしているのが、聞こえてくる。
冬四郎は溜め息をつきながら、入れ直したコーヒーをテーブルに置いた。
「お前、荷物こんだけか?」
「玄関に置いてあるー。それより、しろーちゃん支度しなよ。どうせ忘れてたんでしょ?」
「すっかり忘れてた。支度しないとな」
冬四郎はむつが洗濯物を干している部屋に入り、クローゼットから適当に服を引っ張り出した。
「コーヒーいれたから。支度してる間、ちょっと待っててくれな。何もせず」
くるっと振り向いたむつは、パンツのシワを伸ばしながら、くすくすと笑った。妹とは言えど、女の子にパンツを干して貰っている冬四郎は、わざと鼻の頭にシワを寄せてみせた。
「はいはい、そうさせて貰いますよ。ゆっくり支度して。髭はそのまんま?」
「変か?」
タオルとジャージをハンガーにかけ、洗濯物カゴを持ったむつは、冬四郎の顔をまじまじと見た。
「たまには良いかもね。新鮮だし」
あまり興味ないのか、そう言うとさっさと部屋から出ていった。冬四郎は、その後ろ姿を見ながら、じょりっと髭を撫でた。




