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よっつのこわい
お湯を沸かし直してる間に、マグカップを洗ったりしていたが、ふとむつが何も言わないのが気になり振り向いた。
むつは、大人しく座ってるのかと思ったがリビングには居なかった。クッションの側に、茶色のバッグがあるだけだった。
変に思った冬四郎は、自室を覗いたりしたが居ない。
「むつー?」
「なーにー?」
声は風呂場の方から聞こえてきた。冬四郎が風呂場を覗くと、むつは洗濯機から洗濯物を取り出していた。びっくりした冬四郎は慌てて止めさせた。
「な、何してんだよ‼」
「え?だって止まったから。ほっといたらしわしわになっちゃうよ?」
「やるから自分で出来るから、大丈夫だから」
むつが手にしていた下着を剥ぎ取ると、カゴに放り込んだ。
「あ、ほら。お湯沸いたよ?干すのはベランダ?天気悪そうだから室内のが良いよね。どこに干すの?」
洗濯機から残りの洗濯物を取り出し、むつはカゴを持っている。
「部屋のカーテンレールにかける」
「おっけー。やっとくね」
カゴを持って、部屋に入っていく。その後ろ姿を見て、冬四郎は溜め息をついた。




