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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ちぇんじんぐ

祐斗はきっと表情を引き締めた。いつの間にか、颯介と山上、篠田も興味津々に近くに来ていた。この時の颯介、山上の興味と篠田の興味は違っていたが。


むつも心配そうに近くに来ていた。それが、冬四郎と西原には余計に面白くなかった。


軽い練習のはずが、試合のような緊張感に包まれていた。祐斗はきゅっと帯を締め直し、冬四郎と向き合った。


西原が審判役に真ん中に立った。


向き合った二人は礼をして、一歩を踏み出した。先に動いたのは祐斗だった。奥襟を掴もうとしたが、あっさり冬四郎に阻まれた。だが、その手の力を利用するようにするっと流して襟を掴んだ。


近くで見ている颯介と山上が、おぉっと声をあげている。むつに至っては、ぎゅっと服の裾を握っている。


奥襟は掴めなかったものの、そこそこ上を掴めた祐斗は、手首を返して冬四郎との間合いを詰めようとする。だが、日々練習をしている冬四郎も負けじと襟を掴んで祐斗をぐいっと引っ張る。その力はかなり強い。


「手加減してくださいよっお兄さんっ‼」


祐斗はそう小声で言うと、ぐんっと襟を下に引っ張り袖を取ろうとした。かすっただけで掴む事は出来なかった。


「谷代君にそんな風に呼ばれる筋合いはないな」


冬四郎の低い声に、祐斗はびくっと肩をすくめた。本気で怒らせてしまったようだ。

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