ちぇんじんぐ
「本当に痛いぞ今の。…で、なんだな?冗談抜きに、まじか?」
「まじだよ‼言おうか社長のあれこれ」
祐斗がずいっと顔を向けると、山上と祐斗の顔の距離はかなり近くなった。
「近いぞ」
「うん、びっくりした。むさい髭面が目の前にある…祐斗もしかして身長伸びた?まぁいいや、聞いて颯介さん。社長ね、パラスってスナックのかおりちゃんがかーなーりお気に入りで、親子ほどの歳の差のくせに、1日おきくらいに行っちゃあ口説いてさぁ。胸元にチップねじ込んでついでのようにお触「待て待て待て‼」」
山上が慌てて、祐斗の口を手で押さえながら遮った。すでに聞いてしまった颯介とむつ(祐斗)は、冷たい目で山上を見た。
「何で知ってんだよ‼」
「しろーちゃんから聞いた。やっぱ本当だったんだぁ」
ふんぞり返って祐斗が言うと、山上は溜め息をつきながら首を振った。
「んで、さぁ人妻「わーっ‼」」
「待て、まじで待て‼何だ、今度は誰から何を聞いたんだ‼」
「これも、しろーちゃんから」
そう言うと、祐斗は山上の耳元で何かを言った。その顔は、本当に楽しんでいるようで悪そうな横顔だった。
「人妻って…社長何してんすか?」
むつ(祐斗)が呆れたように言うと、山上はわざとらしく咳払いをした。
「早急に何とかしないとな。むつと祐斗が入れ替わってるとなると、仕事に支障が出る‼」




