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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
1302/1310

みなうちに

「…巻き寿司?」


「えぇ、海苔は神社でお祓いをして貰ってきた物を使ってありますから」


「何で?」


「何でって…むぅちゃん、今日は節分ですよ?他の事に気を取られすぎて、お忘れでしたか?」


「節分…あっ‼豆まきする日だ‼」


「…俺がヒント出してやってたのに、京井さんに聞かされるまで気付かないなんてな。たまたま来た京井さんに感謝しろよ?」


むつと京井の会話を聞いていた山上が、呆れたように言うとむつはきょとんっとした顔をした。そして、京井の身体を押し退けるようにして、壁にかけてあるカレンダーを見て、携帯を見た。


「えー…バレンタインまだまだ先じゃん」


「そっちか、お前のがっかりする方は」


「…うん。はりきって作って送ったのに。早すぎたら、何かバレンタイン感ないし」


「送った?まぁいいや…むつ、これでどういう事か分かったか?分かったな?」


「…遥和さん、社長に呼ばれたの?巻き寿司作ってくるようにって。で、ついでに片車輪の所?」


「………」


京井が黙りこみ、山上をちらっと見ると山上は、あからさまに視線を天井に向けていた。


「出来すぎだもんね。もうっ‼どういうつもり?社長ってば、分かってて何で言ってくれないの!?」


「いや、仕方ないだろ?お前、能力使えないんだから、頭使えるようになれよ。なのに、ダメダメで…こんなに手回ししてやったっていうのに」


「ダメダメ言うな‼いつから気付いてたのよ‼」


「居酒屋で、だな。お前がもうすぐ春だって言う辺りで気付いたんだ。それに、居酒屋なのにちょいちょい巻き寿司運ぶ店員居たからな。むつ、周りをよく見ろよ」


「…うぅ…言い返せない…じゃあ社長」


むつが拗ねたように手を差し出すと、山上はよく分からないままに、手のひらを上にして手を伸ばした。





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