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ひとりきり
「吉岡…さん?」
「こんばんは。またいらっしゃると思ってました。大切な物、無くしてますしね」
吉岡は笑みを浮かべていた。その笑みは、嫌な感じのするものではなく、弱々しさを感じさせるものだった。
呆然とした様子の祐斗の脇をむつが、つついた。はっとした祐斗は、気を取り直したのか、表情を引き締めた。
「あの部屋の白骨は奥さんと娘さんのですね?」
「そう。殺して、あそこに移したんです…他にどうする事も出来なくてね」
悪いと思っているのか、吉岡は顔をしかめている。だが、本心なのかは分からない。
「何で、ですか?」
吉岡は首を傾げた。そして、ゆるく首を振った。分からない、と言いたいのだろう。
「止めようと思ったんだ。けど…もう一人のわたしの方が強かった」
「もう一人の?昨日、あなたが二人視えた気がしたんですが…それが、あなた?」
吉岡は頷いた。そして、階段をおりていく。途中で足音が止まった。どうやら、ついてこいという意味のようだった。
祐斗は何の疑いもなく、あとに続く。むつと西原もあとを追うように続いた。




