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ひとりきり
埃に咳き込みながら、部屋に入りぐるっと明かりをあててみたが何かあるわけでも、何かを感じるわけでもなかった。
西原は仕事の癖なのかペンライトで、部屋の中を隅々まで照し、細かく見ている。むつはと言えば、部屋に入らずに、廊下で何かをじっと見ているようだった。
「むつさん?」
「ごめん、手出す気はないけど。何か見付けちゃったよ」
祐斗と西原は部屋から出て、むつが照らしている方を見た。そこは1番奥の部屋でドアには、板が張り付けられていて空かないようにしてあった。
「こんなの、なかった気が…っ?」
ドアに近付こうとして、祐斗は立ち止まった。そして、懐中電灯で辺りを照らしている。
「何か言いましたか?」
むつと西原は首を横に振っていた。二人が何も言ってない、という事はと思うと祐斗は急に寒気を感じた。
耳をすましていると、その声は微かに助けを求めているような気がした。祐斗は板張りされた部屋からだと思った。何故と聞かれると、勘としか言いようがないが、祐斗はそうだと確信していた。




