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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ひとりきり

祐斗の道案内で、吉岡の居る家に着いた頃にはすでに辺りは暗くなっていた。三人は車から降り、玄関の前に立った。


昨日のように、頼りなさげな明かりは何もない。今にも潰れてしまいそうな家がぽつんとあるだけだった。


「祐斗、これ」


むつは鞄から懐中電灯を出して、祐斗に持たせた。そして、マスクと手袋をはめていた。


「お前準備良いな。俺のは?」


「はい。…祐斗手袋する?」


「します…むつさんいつもこれ持ち歩いてるんですか?」


「手袋、マスク、ペンライトはね」


細いペンライトを持ち、むつはなかなか動かない祐斗に向かって顎をしゃくって見せた。


祐斗は懐中電灯の明かりを頼りに、玄関のドアに手をかけた。力を入れて剥がすようにしようとすると、何て事はない。力を入れるどころか、祐斗を待っていたかのようにドアはゆっくり開いた。


「歓迎されてるみたいねぇ」


むつの独り言のような言いように、返事をするだけの余裕はなく、祐斗は懐中電灯で玄関から中を照らしていた。


ここに踏み入る勇気が出ない。だが、やると決めたし、むつと西原の居る前で逃げ腰になるわけにもいかない。


胸を張って、大きく深呼吸をすると祐斗はゆっくり中に入った。


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